2006年3月13日(月)「しんぶん赤旗」

ゆうPress

韓国映画の誇り胸に

アジア各国で活躍 俳優・歌手

イ・ジョンヒョンさん


 韓国ドラマ「美しき日々」でセナ役を演じ、日本にも多くのファンがいるイ・ジョンヒョンさん。このほど、日本のドラマにもデビュー、「輪舞曲〜ロンド」(TBS系・日曜・後9・00)にチェ・ジウさんと姉妹役で出演しています。自国の映画文化への誇りを胸に、俳優・歌手として、アジア各国で活躍しています。(小川浩 写真・吉武克郎)


 彼女の夢は映画監督。いま韓国では、俳優や映画制作関係者が自国映画を守ろうと、デモをし声明を出しています。韓国映画を支える「スクリーンクオータ制」存続は彼女にも関心の高い問題です。

 「自分たち(韓国発)の映画を守ることは非常にいいことだと思います。韓国映画は、世界で認められるようになりました。日本でも韓流というブームになりました。政府は、映画という産業を排除すべきではないと思います。そのために、俳優や映画人の方がデモンストレーションし、努力をしていることに拍手を送りたいと思います」

 自身は、多忙な芸能活動のため、デモに参加できずにいますが、気が気ではありません。

 「少なくとも、俳優・映画人と政府が、なんらかの妥協点を見いだして、より韓国映画を大切にしていくべきです」

 「ロンド」の撮影現場でジョンヒョンさんは、日韓交流に一役買っています。日本の俳優やスタッフは韓国語を、韓国の俳優やスタッフは日本語を覚えようと努力。撮影現場では、二カ国語のあいさつが飛び交っています。

 お互いの国の言葉を教え合う場面もあります。ジョンヒョンさん自身も、現場で日本語を教わり、「好きな食べ物は何?」など、簡単な単語での短い日本語会話が、できるようになりました。

 撮影中、彼女を驚かす出来事もありました。

 「主演の竹野内豊さんと私の誕生日を祝って、スタッフのみなさんがサプライズ・パーティーをしてくれました。こっそりとケーキを用意してくれたんです。とても感動しました」

 日韓交流を肌で感じています。

 お気に入りの日本映画は“宮崎駿作品”です。

 「すべてが好きです。作品は、見ている人の創造力も刺激してくれます。『風の谷のナウシカ』は、環境問題を考えさせるメッセージが強く込められていると思います。とてもいい作品です」

 一九九八年、韓国の中央大学映画学科に入学しました。芸能活動と両立しながら脚本や映像理論を勉強中です。「あと二年くらいかけて卒業したい。将来はファンタジー映画をつくりたい」。夢の実現へ歩んでいます。


 歌手として音楽でも日韓交流をしています。1月、「THIS IS HYONY」(写真)を日本で発売。作詞を手がけた「Peace」(原題・ピョンファ)は、「もう互いを許さなければならない 以前われわれは一つだった」と。朝鮮半島だけではなく、世界の平和を願い、歌っています。


 スクリーンクオータ制 映画館に自国の映画上映の日数を義務付ける制度です。韓国政府は7日、縮小を決定。年間上映日数の5分の2(146日)から5分の1(73日)に半減しました。7月1日から実施されます。


現場の待遇改善クオータ制維持

立ち上がる映画スタッフ

 韓国の映画人が「映画を守れ」と立ち上がって一カ月。映画人の運動はいまも続いています。映画界の発展を一番願っているのは、映画界の未来を担う若者たちです。

(中村圭吾)

 二月、スター俳優や映画監督らが集結したソウル中心部でのデモ行進。最後尾には映画製作を現場で支える若いスタッフたちの姿がありました。

労組が必要

 「スクリーンクオータ死守」と染め抜いたそろいの鉢巻き、手には「映画労働者を二度殺すクオータ縮小反対」のプラカード。中には「平均年俸六四〇万(約七十七万円)」と書いたものもあります。「それでも最低ランクではない。一番下はその半分ももらえないのが現実」というのは、スタッフ歴五年の金和俊さん(29)。イ・ビョンホンさん主演の「誰にでも秘密がある」の撮影監督キム・ヨンチョルさんの下で照明を担当しています。

 金さんは「年金や健康保険にも入れず、誰にいくら払うかの賃金体系もない。韓国映画の発展のためには現場の待遇改善が必要で、みんなが一つになる労組がなくてはなりません」と話します。

 昨年十二月には、現場スタッフらの期待を背に映画界初の労働組合、全国映画産業労組が誕生。約千三百人が加入しました。委員長の崔眞旭さん(28)は「スタッフの賃金は、法定生計費にも満たず、労働法すら守られていない。映画界のなかで、この問題を提起できるのは、私たちだけ。クオータの維持は当然ですが、それを超えてたたかっていく」と語ります。

製作を圧迫

 クオータ制の縮小が、映画製作を圧迫、低予算映画や芸術映画の劇場確保を困難にし、韓国映画の多様性を損なわせるというのが、映画界共通の意見です。

 「いつかは映画監督」を夢みる学生たちも「多様性を確保するためにクオータ制は必要」と口をそろえます。大学街や映画館で署名にとりくむ大学四年生・宋相勲さん(24)は「いずれ商業映画のスタッフになる学生や労働組合、インディ映画にとって、もっとも意味のある制度です。インディ映画や芸術映画を支援する制度も必要だし、スタッフの処遇も解決しないといけないけど、それもクオータ制があってこそ」と話します。

 映画界からも、彼らへのエールが送られています。新作映画の制作発表で俳優のリュ・スンボムさんは取材陣にこう語りました。

 「クオータは、隊列の前にいるスター俳優や監督のためでなく、この瞬間にも低予算映画一本に情熱を注いでいる人たちのためにこそ必要だ。有名俳優よりも隊列の後ろにいる、多くの映画人のことを考えてほしい」


お悩みHunter

トリマーになり2年給料あげてほしいが

Q私はトリマーをして二年。「お手伝い」の身分で働き、月八万円です。それで、実家から通っていますが、ほかの人も私とほぼ同じ条件です。残業代はでません。先生から技術を教わることもあり、給料をあげてとはいえません。なんとかしたいのですが…。(27歳、女性。東京都)

現在の立場を明確にしよう

A月八万円では東京だとワンルームマンション代。とても生活できません。悩むのもわかります。

 ところで、今のお仕事は、一種のボランティア的な「お手伝い」で開始されたのでしょうか。先生の「お手伝い」をしながら技術を学び資格を取る。そして、一人前のトリマーになるというビジョンだったのでしょうか。それが、二年もたつうちに、残業が入るなど常勤並みの仕事ぶりになり、矛盾が大きくなってきたのでしょうか。もし、そうなら、二つの解決方法が考えられそうです。

 まず、「お手伝い」の時間や内容を限定してもらうことです。週三日とか、二十時間以内とか決めないと、「お手伝い」の範囲を超えてしまいます。時間などを制限して、ゆとりができた時間で、生活の糧を得るために別の仕事をするのも一つの方法でしょう。

 また、いっそのこと「お手伝い」ではなく、パートでも正規でもいいので、一人の被雇用者として正式に採用してもらう道に踏み込んではいかがでしょうか。その際には、労働条件や賃金について、納得できるように合意しておきたいものです。「青年ユニオン」に相談すると、あたたかい援助をしてくれます。

 いずれにしても、現在の立場を明確にすること。いかに、自分の将来を展望するのか、長期と短期の目標を掲げることです。あせらず、仲間と相談しながら「先生」と話し合ってみましょう。


教育評論家 尾木 直樹さん

 法政大学キャリアデザイン学部教授。中高二十二年間の教員経験を生かし、調査研究、全国での講演活動等に取り組む。著書多数。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp