2006年3月13日(月)「しんぶん赤旗」

チリ初の女性大統領就任

国民的和解呼びかけ

閣僚の半数 女性に


 【メキシコ市=松島良尚】南米チリで十一日、一月の大統領決選投票で当選した社会党のミッチェル・バチェレ前国防相(54)が就任しました。初の女性大統領として、民政移管後四度連続となる中道左派政権を率います。任期は四年です。


 新大統領は、首都サンティアゴ北西百二十キロのバルパライソにある国会で宣誓しました。公約どおり半数を女性とする二十人の内閣も同日発足しました。

 その後、首都の大統領府のバルコニーから数万人の市民を前に演説した新大統領は、「国民が恨みや不信を抱かないで見つめあうときがきた」「二度と過ちを繰り返さない。いっそう繁栄する公正で平等な将来を築こう」と述べ、ピノチェト軍政をめぐる国民の分裂を終わらせて和解しようと呼びかけました。

 バチェレ新大統領の父は、空軍司令官で軍事独裁政権に反政府勢力とみなされ、拷問・殺害されました。また大統領自身も逮捕され亡命もした経験を持っています。

 新大統領は、六十歳以上の医療費無料化や年金増額など百日以内に実行する三十六の公約を明らかにしています。外交政策では、南米諸国との関係を重視しています。また、米政府が懸念しているベネズエラなど南米左派政権の「悪の枢軸」のようなものはないと否定し、「それらの国の大統領は国民によって選ばれている」と述べています。

 就任式には、三十カ国の首脳を含め百二十カ国の政府代表が参加しました。領土問題をめぐって一九七八年以来外交関係が途絶えていた隣国ボリビアのモラレス大統領も出席し、バチェレ大統領と会談。関係改善の推進で合意しました。


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