2006年3月6日(月)「しんぶん赤旗」

成功よびかけ人文字

米艦載機受け入れ是非問う

岩国住民投票が告示


 厚木基地の米艦載機部隊を岩国基地に移転させることの是非を問う、山口県岩国市の住民投票が五日、告示されました。米軍再編に絡んだ住民投票は全国で初めてです。六日から期日前投票が始まり、十二日投開票されます。


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(写真)住民投票を成功させようと「3・12GO!」の人文字を錦川の河原、錦帯橋の近くでつくる岩国市民=5日、山口県岩国市

再編絡み初12日投開票

 この日、住民投票を成功させようと市民団体が多彩な取り組みで「市民の意思を示そう。艦載機受け入れに賛成の人も反対の人も投票に行きましょう」とアピールしました。

 岩国の観光地、錦帯橋では、「住民投票を成功させる会」が呼び掛けた「3・12GO!」の人文字が、千五百人の参加で成功しました。

 広島県から参加した女性(52)=廿日市市阿品=は「基地被害は岩国だけではない。出産予定の、めいを受け入れる予定でしたが、騒音がひどく、どうするか迷っています」と語りました。

 「艦載機受け入れ反対に○をする会」は百五十人がハンドマイクやプラスター宣伝を行い、ビラはほぼ配り終えました。

 井原勝介・岩国市長が会見し「住民投票の結果は重い。ぜひ成立させて市の判断を示していただきたい」とアピールしました。

 米軍再編に関して政府は岩国市に約束した事前説明をせず、三月末までに結論を押し付けようとしています。井原市長は早急に市としての結論を出す必要があると、住民投票を決断しました。有権者は八万五千二百四十人(二日現在)。投票率50%を超えなければ開票できず、成立しません。


民主主義の原点

井原岩国市長が声明

 山口県岩国市の井原勝介市長は五日、住民投票告示後の記者会見で、市長緊急声明「あなたが選ぶ岩国の未来」を読み上げ、「いろんな議論があると思いますが、岩国市の将来を選ぶ重要な住民投票です。ぜひ市民の意思を表明してほしい」と呼びかけました。

 「投票の結果については、結果のいかんにかかわらずそれを尊重し、議会や県とも相談してできるだけ早く国に届ける」とのべました。住民投票をボイコットしようとする動きについては「住民投票は民主主義の原点にかかわること。賛成であっても、反対であっても意思を表明すべきです」と指摘しました。

 市長緊急声明は、新聞に折り込む予定です。井原市長は、六日から街頭に立って、住民投票への参加を呼びかけます。


 岩国の住民投票 米軍再編の中間報告では、空母艦載機五十七機・兵員千六百人を厚木基地から、工事中の滑走路沖合移設が完了した後の岩国基地に移駐することを明記しています。米軍機は現在すでに五十七機おり、倍に増強されます。住民投票はこの移駐の受け入れの賛否を問うものです。

 住民投票の方法は、賛成か反対かの二者択一。投票率が50%以上で成立します。有効投票総数の過半数で決定し、結果は市民の意思として尊重されます。


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