2006年2月24日(金)「しんぶん赤旗」

安全より一業者の声

伊藤元長官開き直り 政倫審

ヒューザーとの癒着鮮明


 国民の安全より一業者の要求をここまで代弁するのか――。耐震強度偽装事件で、二十三日、開かれた衆院政治倫理審査会の自民党・伊藤公介元国土庁長官に対する審査は、偽装マンションを販売したヒューザーとの密接な関係を改めて浮き彫りにしました。


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口利き疑惑

 伊藤元長官は、国交省による偽装公表二日前の十一月十五日、ヒューザーの小嶋進社長と東日本住宅の桃野直樹社長とともに、国交省を訪問。小嶋社長が「公的資金による援助」や「発表は慎重に」などと求めた場に同席しました。

 伊藤元長官は一月十九日の会見で、「報道を通じて偽装を知った」と述べています。しかし、山本繁太郎住宅局長によれば、伊藤元長官は面会の際、「国の指定した建築確認機関にも責任があると思う」「国としてどう対応するのか」などと、小嶋社長の意見を代弁する発言をしています。

 この日、元長官は「一部始終、何を言ったのかは覚えていない」としながらも、局長と話したときには「頭の中で、国が指定した民間の検査機関が機能していなかったのも問題の一つかなと思った」などと述べました。

入札で仲介

 伊藤元長官は、産業再生機構が競売にかけた神戸市のホテル運営会社「西神オリエンタル開発」の入札に関連して昨年六月、落札を希望していた小嶋社長を機構幹部に仲介したと指摘されています。

 元長官は「小嶋社長に頼まれて、窓口だけ聞いた」と機構に電話したことを認めました。また、昨年八月に入札結果を確認する電話をしたという疑惑については「いつごろ結果が決まるか、(小嶋社長に)聞かれて問い合わせた」と答弁し、関与を裏付けました。

 これには、与党の公明党議員も「(業者のために)そこまでやる必要はないんじゃないか」とのべるほどでした。

会社の営業も

 伊藤元長官の三男が社長を務める“同族”会社「フューチャービジネスネットワーク」の営業活動を、伊藤元長官がしていた疑惑も浮かび上がりました。伊藤元長官は一月十九日の会見でフュー社がマンション管理業務をしていたことを「知らない」としています。伊藤元長官はこの日も「報道で知った」と繰り返しました。

 三男とともに東京・大田区の建設会社を訪問。その結果、フュー社がマンション七十一棟、四千万円近くの清掃業務を請け負うことになったことを指摘されると、否定できずに「どういった状況で行ったのか覚えていない」と答弁。「できる限り営業はしないようにしている」などとのべ、営業活動に参加していることを暗に認めました。


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