2006年2月24日(金)「しんぶん赤旗」

イラク

宗派間の対立激化

大統領 「内戦の危機」に警告

シーア派聖廟爆破


 【カイロ=小泉大介】イラク中部サマラで二十二日に何者かが同国のイスラム教シーア派の四大聖廟(せいびょう)の一つを爆破して以降、全土でこれへの報復を含む攻撃が多発し、宗派間の対立が激化しています。


 聖廟が爆破された二十二日午前から二十三日午前にかけ、首都バグダッドでは銃撃などで死亡した四十七人の遺体が発見されました。またサマラ近郊で二十三日午前、前日夜に行方不明となっていたアラブ系衛星テレビ・アルアラビヤの記者を含むイラク人ジャーナリスト三人の遺体も確認されました。さらに中部バクバでは同日、イスラム教スンニ派のモスク(礼拝所)への銃撃で三人が死傷しました。

 バグダッドでは二十二日、スンニ派モスク二十七カ所が襲撃され、聖職者三人を含む六人が殺害されました。同日夜までにスンニ派モスクへの銃撃や迫撃砲などによる攻撃は各地で合計九十カ所に及びました。

 南部バスラでは二十二日、警察官の制服を着た武装勢力が刑務所を襲撃、スンニ派教徒とみられる囚人十一人を拉致し、その後全員が銃殺体で発見され、スンニ派最大政党イラク・イスラム党の同地の事務所も襲撃され二人が死亡しました。

 聖廟爆破をうけ、イラクのシーア派最高権威シスタニ師はこれに抗議し一週間の服喪を呼びかけるとともに、スンニ派モスクへの攻撃を中止するよう訴えました。しかし、かねてから宗派間対立に敏感になっていたシーア派住民の一部や民兵が暴徒化し、混乱に拍車をかけたとみられます。

 一連の事態を重くみたイラク移行政府のタラバニ大統領は二十二日、「われわれはイラクの統一を破壊しようとする重大な陰謀に直面している。国民は内戦の危機に手を取り合って立ち向かわなければならない」と訴え、ジャファリ首相も「国家統一をむしばもうと欲する者たちの道を閉ざそう」と呼びかけました。

 一方、スンニ派政党連合「イラク合意戦線」報道官は二十三日、政府が同派モスクなどに対する攻撃を明確に非難しないかぎり、正式政府樹立に向けた連立協議参加を停止すると表明しました。


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