2006年2月16日(木)「しんぶん赤旗」

米軍の人権侵害続く

ファルージャ 現地記者ら告発


 【カイロ=小泉大介】イラク中部のファルージャは、二〇〇四年十一月の米軍による大規模攻撃で数千人の命が奪われました。同地では一年数カ月たったいまも、「武装勢力掃討」を口実にした米軍の攻撃や人権侵害が続き、住民が劣悪な生活環境のもとに置かれていることが、本紙の電話取材や現地からの報道で明らかになりました。

 ファルージャを拠点に活動するジャーナリスト、ファディル・バドラーニ氏は十四日、「さすがに空爆の数は減りましたが、米軍は現在も戦車などによる無差別の爆撃を続けており、子どもや女性を含め罪のない多数の住民が命を落としています。モスク(礼拝所)への襲撃も続いています」と強調。住民生活の状況について次のように証言しました。

 「米軍は街を包囲し完全に支配しています。挑発する米軍と武装勢力の衝突は一日に十件を下りません。午後十時に外出禁止令が敷かれますが、夜間に多くの商店で放火や襲撃が起きています」

 「経済活動はほぼストップしており、電気もこの三カ月間、ほとんど供給されない状態です。多くの家で寒さに耐えられず、ランプや木くずなどを燃やして暖をとっていますが、黒煙を吸い込むため、私を含め多数の住民が胸を患っています。清潔な水の不足による健康への影響も深刻です」

 二〇〇四年の攻撃で同地は人的被害はもちろん、家屋なども壊滅的な打撃を受けました。バドラーニ氏によると、十一月の攻撃後に米軍は補償を約束したのに、現在までに支払われたのは「復興」に最低限必要な額の四分の一程度にとどまっているといいます。

 汎アラブ紙アルハヤト一月三十日付もバドラーニ氏の証言と同様の状況を報じています。

 同紙は、現地の宗教者評議会が米軍の攻撃や人権侵害を中止させるために国際社会の介入を求めて発表した声明を紹介しました。


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