2006年2月15日(水)「しんぶん赤旗」

成果主義が賃金抑制

内閣府、研究論文


 “企業が採用する成果主義が賃金抑制につながった”とする研究結果が内閣府の政策統括官室がまとめた論文で明らかになりました。

 仕事の成果や業績に基づいて社員の給与や役職を決める成果主義が大企業を中心に広がるなか、その問題点が政府自身の分析によっても浮かび上がりました。

 これは、「企業の賃金決定行動の変化とその背景」と題した論文で、同府の経済財政分析担当と外部研究者による研究をとりまとめたものです。

 論文は「一九九〇年代には高止まっていた賃金」がどのような要因で低下したかについて、企業のデータを用いて検証しています。

 それによると、(1)リストラで従業員の賃金への影響力が低下した(2)債務比率の高さが賃金を抑制した(3)結果として成果主義の導入は賃金全体を抑制する効果を持った可能性がある―ことが検証されたと結論付けています。企業業績が改善しても、成果主義の導入などで「賃金の上昇幅は過去と比べて緩やかなものにとどまる可能性がある」としています。

 また、成果主義の採用で社員のやる気が向上し、企業業績が改善するといわれているが、「企業の業績と成果主義賃金の関係はほとんどみられない」と分析。「成果主義賃金を採用している企業は賃金格差も大きい」との推計も紹介しています。


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