2006年2月9日(木)「しんぶん赤旗」

日朝、協議継続で一致

具体的進展なく閉幕


 【北京=菊池敏也】北京で開かれていた日朝政府間協議は八日午前、締めくくりの全体会合を開き、協議を継続することで一致し、五日間の日程を終えました。協議は拉致、国交正常化、安全保障の三分野で並行して行われました。拉致問題では二度にわたり協議を行いました。しかし、日朝双方の主張は平行線をたどり、いずれの分野も具体的進展はありませんでした。

 協議後、原口幸市日朝国交正常化交渉担当大使が記者会見し、「どこに誠意ある努力があったのか、いつ具体的措置を講じるのか、今はこうした疑問を抱かざるをえない」と北朝鮮を批判。一方で、並行協議という新たな枠組みのもとで二十時間以上かけて議論したことは「一定の意義があった」と評価しました。

 拉致問題の協議で日本側は(1)生存者の帰国(2)真相究明(3)元工作員の辛光洙ら三人の引き渡し―を要求。北朝鮮側は、北朝鮮脱出者を支援する日本人を「拉致犯」として引き渡すよう求め、横田めぐみさんの「遺骨」返還を要求しました。

 原口大使は「誠意ある対応が示されなかったことは遺憾」と批判。「『対話と圧力』という基本的な考え方で、北朝鮮側の誠意ある対応を引き出すべく最大限努力する」と表明しました。

 一方、北朝鮮の宋日昊大使は協議後、記者団に「虚心坦懐(たんかい)に率直な意見交換があった」と述べ、「日朝関係を進展させるためには今後もこうした協議が必要」と、協議継続の意向を示しました。

 六日の国交正常化交渉で、日本側は正常化後に経済協力を行うと表明。北朝鮮は経済協力に加え、「慰安婦」や強制連行被害者への個人補償に言及しました。七日の安保協議では、六カ国協議への早期復帰を求める日本側の要求を受け入れませんでした。

 八日午後、北朝鮮大使館で開かれた記者会見で、宋大使は「大きな進展はなかったが、今後どのようにすべきか考える余地を残したことは評価したい」と発言。また、横田めぐみさんの「遺骨」問題で、日朝の専門家協議を提案したことを明らかにしました。


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