2006年2月2日(木)「しんぶん赤旗」

イラク撤退を拒否

米大統領が一般教書演説


 【ワシントン=鎌塚由美】ブッシュ大統領は三十一日夜、議会上下両院合同会議で一般教書演説を行いました。イラク戦争など「対テロ戦争」、ハリケーン「カトリーナ」や社会保障、年金改革など内外政策の行き詰まりに直面し、支持率が最低水準に低迷するなか、十一月の中間選挙を強く意識し、高まる批判への反論と釈明に追われる演説となりました。

 ブッシュ氏は、イラク戦争への批判を「孤立主義」「敗北主義」と非難。「米国の主導」こそが安全確保の唯一の道だと訴えました。特にイラク問題では、「勝利への計画」が成功していると強調。即時撤退論を切り捨てました。

 イランに対してはパレスチナとレバノンでのテロリスト支援の中止を要求。核兵器取得阻止のため各国を結集すると述べました。

 ブッシュ氏は圧制に終止符を打つことが米国の長期目標だとし、シリア、ミャンマー、ジンバブエ、北朝鮮、イランの「自由」化を掲げましたが、北朝鮮核問題には言及しませんでした。

 経済問題では、「新たな競争相手」として中国とインドに言及。エネルギー問題では二〇二五年までに中東依存の75%以上を切り替えると表明しましたが、確かな道筋は示さず、また、地球温暖化問題にも触れませんでした。

 令状なしの国民盗聴問題では「憲法と法令で権限を与えられている」とし、愛国者法の再延長を両院に呼びかけました。

 ▼一般教書 米大統領が、「連邦の状況」について報告するという憲法第二条の規定に従い、議会会期の冒頭にあたる年頭に、一年間の施政方針を上下両院に示す演説。予算教書や大統領経済報告とともに、「三大教書」と呼ばれます。


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