2006年1月30日(月)「しんぶん赤旗」
地産地消で安全な農業
「農の会」が研究会・総会
地域に根ざした持続可能な農業をめざす「農の会」(旧ミチューリン会、会長=柳下登・元東京農工大学教授)は二十八、二十九の両日、東京都内で研究会と総会を開きました。
研究会は「消費者の目線にたった農業とは」がテーマです。微生物利用の食物残さの堆肥(たいひ)化、生産者の顔が見える地産地消の経験が報告されました。
千葉県の船橋農産物供給センターの石神孝行さんは、「無農薬研究会を続けているが、農産物の価格下落で安心して作れない」とのべ価格安定を訴えました。生協で活動している養田恵津子さん(横浜市)は、子どものアレルギー症が増えていると話し、農薬使用制限、土作りなどで消費者が自覚的に生産者と交流する必要性を強調しました。
農家と連携した「食育」の重要性を話したのは東京都調布市の小学校で栄養士をしている菅規子さんです。虫が食べた跡がある小松菜を見た子どもが「農薬が少ないから虫がいるんだね」と判断したと報告しました。
柳下会長は、「化学肥料・農薬の多用には多くの人が不安を感じている。地域の資源を生かし、消費者と生産者の交流による安全・安心な生産をしよう」と呼びかけました。
世界の農家と交流がある「安全な食と環境を考えるネットワーク」の伊庭みか子事務局長は、企業的大規模農業により農薬多用、生産者に病気が増えているのが現状だと報告。バングラデシュ、キューバなどでは循環型社会の運動で生活が安定し集落は清潔で子どもの顔が明るいと紹介、「日本も大規模法人化の考えでは心配だ」とのべると会場ではうなずく姿がみられました。

