2006年1月28日(土)「しんぶん赤旗」

ハマス単独過半数

パレスチナ選挙

「和平続行」と議長


 【カイロ=小泉大介】パレスチナ中央選管は二十六日夜、前日実施された評議会(国会に相当、定数百三十二)選挙の結果を発表しました。それによると、同選挙初参加でイスラエルへの武装抵抗を掲げるイスラム原理主義組織ハマスが単独過半数の七十六議席を獲得する地すべり的勝利を収めました。投票率は約77%でした。

 前回選挙(一九九六年)で七割以上の議席を獲得し、十年にわたり自治政府と評議会の中心となってきたパレスチナ解放機構(PLO)主流派最大組織のファタハは四十三議席と大きく後退し、今後の中東和平の動きに重大な影響を与える結果となりました。

 アッバス議長は選挙結果発表をうけテレビ演説し、「私は一年前の議長選挙で示した約束の履行を続ける。それは、イスラエルとの交渉による和平の約束である」と述べ、理解を求めました。同議長は二十七日、ハマスに新政府の組閣を命じると言明しました。これに先立ち、自治政府のクレイ首相が二十六日、辞任を表明。また同政府のアリカット交渉責任者は「勝利者が責任を負わなければならない」と述べ、ファタハは政府に参加しない方針であると語りました。

 一方、ハマス最高指導者のマシャール氏は二十六日、アッバス議長に電話し、「ハマスはパレスチナの全勢力、とくに兄弟であるファタハとの協力を追求する」と連立政府樹立の意思を伝えました。同幹部のザハール氏は「イスラエルが平穏状況への関与を続けるならば、われわれもそれを継続する」と述べ、昨年末で期限の切れた停戦を継続する用意を明らかにしました。


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