2006年1月28日(土)「しんぶん赤旗」

冷蔵庫

消費電力表示、是正へ

使用実態に沿って測定 現行の2―5倍に


 冷蔵庫の消費電力量問題で、経済産業大臣の諮問機関・総合資源エネルギー調査会の省エネルギー基準部会電気冷蔵庫等判断基準小委員会は二十七日までに、家庭の使用実態に近づけた測定方法にする見直し案を承認しました。これは、カタログなどに表示している年間消費電力量を実際の数分の一にして電気代を不当に安くみせていたことを本紙が指摘。批判の声が高まる中で是正されることになったものです。


■本紙の指摘受け5月公示

 日本工業標準調査会の審議をへて、五月一日に新測定方法を盛り込んだ「新JIS(日本工業規格)」を経済産業大臣が公示することになりました。

 同小委員会に、主要六社の六機種について新規定で測定した資料が提出されました。それによると、6ドアの「高機能・多ドアタイプ」(定格内容積455リットル)の冷蔵庫で、現在の消費電力量160キロワット時/年と表示されているものが、新測定法による試験結果は780キロワット時/年で、一気に約五倍になります。

 カタログに380キロワット時/年と表示されている3ドアタイプ(384リットル)でも、新測定法では724キロワット時/年と約二倍など、軒なみ数倍にはねあがっています。

 本紙は、消費者の告発をもとに冷蔵庫の消費電力量のごまかしを告発(昨年六月十日付)。経済産業大臣制定の現在の消費電力量測定方法(JIS規格)が、各種ヒータ類のスイッチを切った状態で測っていることなどを次々と明らかにしてきました。

 全国の消費者・環境団体、自治体も問題を重視。省エネ型家電製品の拡大・普及をはかるための「省エネラベル」の表示をほとんどのところで中止するなど、大きな反響をよびました。

 こうしたなかで、経済産業省も測定方法を見直して家庭での使用実態にそったものにせざるをえなくなったものです。

 新測定方法は、家庭での使用実態に近づけるとして、周囲温度や設置条件、扉開閉回数の変更、冷凍室・冷蔵室への追加負荷の投入、自動製氷機を使用する(スイッチオフからオンへ)ことなどを盛り込み、保証用ヒータ(保温用ヒータ・凍結防止ヒータ等)については、「通常使用状態で保証用ヒータが入る場合は、入にする」と規定しています。


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