2006年1月27日(金)「しんぶん赤旗」

葛飾ビラ弾圧

言論抹殺目的の起訴

第8回公判 弁護側が公訴棄却要求


 東京・葛飾区のマンションで日本共産党の区議会だよりなどのビラを配った荒川庸生さん(58)が、住居侵入罪で不当に起訴されている弾圧事件の第八回公判が二十六日、東京地裁であり、弁護側が冒頭陳述を行い公訴棄却を主張しました。

 弁護側は、この事件が日本共産党のビラ配布を弾圧するために、犯罪にならない行為をあえて起訴したものと指摘。「政治的言論を抹殺しようとする恣意(しい)的な起訴」「重大な訴追裁量の逸脱」と検察側を批判しました。

 とくに「私人(マンション住民)による現行犯逮捕」とされた捜査手続きについて、「住民は荒川さんに対し、一階共同玄関ホールで待たせており、住民によって逮捕されたと認められる状況はいっさい存在しなかった」と主張。「もともと存在していない私人による現行犯逮捕手続きの事後的ねつ造にほかならない」と批判しました。

 さらに弁護側は、マンションには関係者以外の立ち入りを拒否する旨を明示する告知もなく、ビラの配布を目的にした立ち入りが日常的に許容されていた事実を示し、「本件で住居侵入罪が成立する余地はない」と指摘。「配布行為は政治的言論の自由として憲法二一条一項の保障をうけるもの」とのべました。

 公判では、捜査段階での供述について荒川さんの本人尋問も行われました。

 弁護側が、警察に110番通報した住民や、その後駆けつけた亀有署の警察官らによって、腕を拘束されたりしたかなどと尋問。荒川さんは、「拘束はありませんでした」「午後五時ごろ、民間人によって逮捕されていると告げられるまで、被疑者という認識は全くありませんでした。それまでは黙秘権も弁護人を選定できることも警察官から告げられていません」と証言。改めて公訴事実を否定しました。

 公判には、荒川さんの支援者などが法廷に入りきれないほど傍聴に詰めかけ、公判終了後に報告集会が開かれました。

 次回公判は三月九日です。


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