2006年1月26日(木)「しんぶん赤旗」

ハリケーン

堤防崩壊の警告あった

国家安全保障省が報告


 【ワシントン=鎌塚由美】昨年、米国南部を襲い大きな被害を出したハリケーン「カトリーナ」が上陸する四十八時間前に、ホワイトハウスは堤防の崩壊や洪水が起き、多くの犠牲者が出ると警告する報告を受けていたことが分かりました。

 議会上院の国家安全保障・政府業務委員会の調査で明らかになったもの。同委員会のリーバーマン議員(民主党)が二十四日に開かれた公聴会で明らかにしました。ワシントン・ポスト紙など二十四日付の米各紙も取り上げました。

 上院委員会の調査によると、国家安全保障省は、四十一ページにわたる報告をホワイトハウスの危機管理室に八月二十九日の午前一時四十七分に送付していました。電子メールで送られた報告は、「激しい洪水または堤防決壊の可能性」を指摘し、ポンチャトレイン湖の堤防の決壊にもふれていました。さらに、経済的損失の額が、数百億ドルに上る可能性にも言及していたといいます。

 ブッシュ大統領は「カトリーナ」上陸の三日後にテレビのインタビューにこたえ、「堤防の決壊を予測できる人は誰もいなかった」などと語っていました。

 リーバーマン議員は、「カトリーナは、予測不可能ではなく、繰り返し予測されていた」と指摘し、ブッシュ政権の対応を批判しました。

 ホワイトハウスのマクレラン報道官は二十四日、政府の対応の遅れを問われ、「大統領の発言は、(当時の)人々の意識に言及したのであり、誤った特徴づけは間違いだ」などと主張。大統領は緊急災害宣言を出し、対策をとっていたと繰り返しました。


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