2006年1月21日(土)「しんぶん赤旗」

イラク選挙最終結果発表

第一党は与党シーア派


 【カイロ=小泉大介】イラク独立選挙管理委員会は二十日、昨年十二月十五日に実施された国民議会(定数二七五)選挙の暫定最終結果を発表しました。先に公表された中間結果をめぐってイスラム教スンニ派や世俗派勢力が不正を告発し国際調査を要求したため、一カ月以上の期間を経ての発表となりました。

 発表によると、第一党となったのは、移行政府で与党のイスラム教シーア派政党連合「統一イラク同盟」で百二十八議席(昨年一月の暫定国民議会選挙獲得議席百四十)。同じく与党のクルド人政党連合「クルド同盟」は五十三議席(同七十五議席)となりました。

 暫定国民議会選挙では大部分がボイコットして十七議席に終わったスンニ派勢力は、「イラク合意戦線」が四十四議席、「イラク国民対話戦線」が十一議席と合わせて五十五議席を獲得し、今後の政治プロセスにおける一定の発言力を確保しました。アラウィ前首相率いる世俗派の「イラク国民リスト」は二十五議席(前回四十議席)とふるいませんでした。

 今回の最終結果は暫定的なもので、今後、二週間の異議申し立て期間を経たうえで最終的な議席が確定されますが、全体像が判明したことで、今後、任期四年の正式政府樹立に向けた各政治勢力間の駆け引きが本格化する見込みです。

 新政府の構成は移行政府と同様、「統一イラク同盟」が軸となるのは確実。同時に、宗派・民族間の和解に基づくイラク情勢の改善のためには広範な政治勢力の参加による政府樹立が不可欠となっており、選挙不正問題で多数派との対立が鮮明となったスンニ派、世俗派の動向が焦点となります。


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