2006年1月15日(日)「しんぶん赤旗」

スペインに「九条の碑」


写真

(写真)グランカナリア島、テルデ市ヒロシマ・ナガサキ広場にある憲法9条の碑

 非戦を誓った憲法九条は世界のさまざまなところに影響を及ぼしています。その一つがスペイン最西端の島、アフリカ北西部に近い大西洋に浮かぶカナリア諸島にある日本国憲法第九条の碑です。

 スペインでは米軍基地撤去と北大西洋条約機構(NATO)脱退を求め、一九八〇年代に十万人規模のデモや集会が繰り返され、運動が大きな盛り上がりを見せました。この中で、グランカナリア島第二の都市、テルデ市(人口九万人)の市長は憲法九条の内容に感動し、碑とヒロシマ・ナガサキ広場の建設を議会に提案し、市議会も賛成しました。スペインは八二年にNATOに加盟しましたが、テルデ市議会はこれに反対し非核地帯を宣言しました。

 その後、米国は首都マドリード近くのトレホン空軍基地を撤去するなどスペイン政府との交渉で八九年から駐留軍を大幅に削減せざるを得ませんでした。

 一九九六年に広場と碑は完成しました。

 テルデ・バス停留所の近くの警察署で碑に行く道を聞くと、若い警察官が親切に教えてくれました。折からの雨の中、約四百平方メートルのヒロシマ・ナガサキ広場に陶器のタイルを張った碑を見つけました。高さ三メートル、幅二メートル。白地に青い字で憲法九条のスペイン語訳が鮮やかに記してありました。

 (スペイン・カナリア諸島テルデ=片岡正明 写真も)


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