2006年1月13日(金)「しんぶん赤旗」

大石市議に不当判決

公選法弾圧で大分地裁 弁護団控訴


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(写真)不当判決に抗議する支援者たち=12日、大分地裁前

 二〇〇三年四月の大分県豊後高田市議選で告示前に後援会ニュースを配布したことが公職選挙法違反(戸別訪問、文書違反、事前運動)の罪に問われた日本共産党の大石忠昭市議(63)の判決公判で、大分地裁(鈴木浩美裁判長)は十二日、罰金十五万円、公民権停止三年とする有罪判決を言い渡しました。大石氏と弁護団は事実認定も法解釈でも全面的に不服として即日控訴しました。

 公判では、警察の不自然な捜査の端緒や大がかりな捜査、大石氏以外選挙違反検挙がないことなど、大石氏を狙い撃ちした特異な事件であることが明らかになりました。

 弁護団は、大石氏が日ごろから行ってきた正当なビラ配布行為であること、国内裁判史上初となる元国連規約人権委員・エリザベス・エバット氏の証人尋問で、公選法の戸別訪問禁止や文書配布制限規定そのものが自由な選挙活動を保障した国際人権規約(一九七九年日本政府批准)と憲法に違反していることを立証、無罪を主張しました。

 判決では、大石氏の十八人へのニュース配布を「発言、握手などの言動や暗黙のうちに投票を依頼」したとして犯罪行為と認定、戸別訪問禁止や文書配布制限などの公選法の制限規定についても国際人権規約・憲法に違反しないと弁護側の主張を全面的に退けました。

 判決を受け、河野善一郎主任弁護人は、「国際水準から大きくかけ離れた裁判官の人権感覚に失望した」とのべました。大石市議は、「判決は警察の調書そのものだ。住民のみなさんから高田には大石さんが必要だ、有罪になって議員をやめては困ると励まされた。自由にのびのび選挙活動ができるように今後も元気に明るく頑張ります」と決意を語りました。


■住民が激しい怒り

■「議席失ったら 大きな損失だ」

 「大石さんの議席をなくすことは大きな損失だ」――。大分地裁前には、豊後高田市民をはじめ、関東、大阪、中国、九州など全国各地から三百人が集まり、不当判決をきびしく批判しました。

 「高田の正義がなくなる。(有罪が確定して)大石さんの議席がなくなったら、大きな損失だ」。豊後高田市に住む農業、安部章二さんは有罪判決に怒りをこめます。

 安部さんは「裁判官は、大石さんが議会内外で行ってきたことをまったくわかっていない」と批判。「私は党員でないから客観的にわかる。絶対に議会に必要な人です。多くの市民がそう思っている。これからはビラももらえなくなる」と話しました。

 「大石さんの議席を失ったら、高田は発展しない」。大石さんを支援する輪は、自民党幹部の元市議会議長はじめ、党派を超え広がり、支援署名はトップ当選で獲得した得票の三・七倍にのぼり、全国では十万人を超えました。

 介護保険料の減免、子育て支援や誕生祝い金の支給など市民の要求を実現し、県補助金流用など市政のチェック役を果たしてきた大石さん。不当判決でさえも、「地域社会に貢献した」と認めざるを得ませんでした。

 「住民の幸せのために一筋に活動している。不当逮捕だ」と法廷で証言した豊後高田市の元校長、宮本茂登一さん(76)は「豊後高田の市民は、大石さんの政治的空白をつくることは絶対にしない」と語りました。


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