2006年1月3日(火)「しんぶん赤旗」

元国土庁長官伊藤公介氏を支援

耐震偽装 建築主会社が組織的に

元社員ら証言


 耐震偽装で問題となっているマンション建築主の「ヒューザー」や「東日本住宅」の社長らが、伊藤公介元国土庁長官・自民党衆院議員を政治資金などで支援するグループを組織していたことが元社員らの証言などで二日までに明らかになりました。伊藤議員は、耐震偽装マンションの建築主だったこれら社長と問題発覚のかなり前から、資金提供の便宜を受ける深い関係だったことになります。

 この支援グループは、住宅関連産業の社長らが、住宅産業の「研究会」として立ち上げたもの。メンバーは二十人強で、いずれも社団法人「日本住宅建設産業協会」に加盟しています。

 「研究会」のまとめ役は東日本住宅の桃野直樹社長。同社長やヒューザーの小嶋進社長は耐震偽装問題が表面化する直前、伊藤議員の口利きで、国土交通省幹部と会ったことがこれまでに明らかになっています。

 東日本住宅の元社員によると、「研究会」の主な目的は「伊藤氏を囲んだ情報交換」。しかしその実態は「研究会といっても、事実上は伊藤元長官を支援する団体だった」といいます。

 伊藤議員は一九九六年十一月から九七年九月まで国土庁長官をつとめましたが、「研究会」はその後に活動。毎年十一月ごろ、伊藤氏を囲んだ懇親会を開催。ゴルフをともにする会社社長もいた、といいます。

 二〇〇〇年十一月に東京・信濃町で開かれた「懇親会」には伊藤元長官のほか、同氏秘書も参加。桃野社長は、事前に同社社員に「伊藤氏に渡すから、自分名義の銀行口座から三百万円下ろしてきてくれ」と指示。社員は三百万円弱を引き出し、桃野社長に渡したと証言します。献金は各社が毎月一万五千円程度を桃野社長の口座に振り込み積み立てていたものでした。

 桃野、小嶋両社長はともに「日本住宅建設産業協会」の理事。また同協会理事長などの役員である住宅会社社長が「研究会」メンバーに名前を連ねていたことが関係者の証言で判明しています。

 伊藤議員の資金管理団体の政治資金報告書には、これら社長からの献金が記されています。

 社団法人「日本住宅建設産業協会」は住宅宅地供給に関する税制・住宅金融公庫融資の改善要望、住宅の供給にかかわる技術指導、供給手法の研究を進めている団体。

 伊藤事務所は本紙の問い合わせに「個人献金として適正に処理している」とのべるだけで、「研究会」との関係などについては回答しませんでした。

 また、東日本住宅の社長も、本紙の問い合わせに回答しませんでした。


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