2005年12月29日(木)「しんぶん赤旗」

中・高等教育の無償化求める

教員らが「国際人権A規約13条の会」


 「国際人権A規約13条の会」の設立シンポジウム「日本の高学費をどうするか」がこのほど、京都市内で開かれ、大学教職員、学生ら約百三十人が参加しました。

 中等・高等教育の漸進的無償化を定めた国際人権社会権規約一三条二項(b)(c)の批准を日本政府が留保していることに対し、国連社会権委員会は、「留保の撤回」を勧告。その回答期限が来年六月に迫るなか、無償化条項の意義を広げようと碓井敏正・京都橘大学教授らの呼びかけで「13条の会」が結成されました。

 シンポジウムでは、三輪定宣・千葉大学名誉教授が、基調講演で故田中昌人・京都大学名誉教授の著書『日本の高学費をどうするか』の意義を報告。「留保撤回の意義、必要性、論拠、合意形成などを多面的に解明した著書」と評価しました。

 全日本医学生自治会連合の学生が「学費が高くバイトしなければならない」など医学生の切実な声を紹介しました。

 同志社大学の学生は、「授業料をバイトで稼ごうとしたら、毎日四時間以上働かなければならない」と学費負担の重さを報告しました。

 「大学設置基準が、一単位四十五時間の学修、百二十八単位で卒業としているのは学業への没頭が前提。それがバイトで空洞化している。学費負担の重さは、大学教育をゆがめている」との発言がありました。

 佐藤和弘・龍谷大学助教授は、北欧三カ国、デンマーク、フランスでは学費が無償、学費を導入したオーストリアの失敗、ドイツでの学費導入の動きを報告しました。


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