2005年12月28日(水)「しんぶん赤旗」

これ、税金!?

選挙違反対策・カーナビ…もちろん飲み食いも

政党助成金 自公民社あきれた使い道


図

 選挙違反対策の弁護士費用から除雪費、ストーブ代、カーナビ、ゴルフ場付きホテルで飲み食い――。国民一人あたり二百五十円、年間約三百十七億円の税金を日本共産党を除く各党が山分けしている政党助成金。二〇〇四年分の「政党助成金使途報告書」を詳細に調べてみると、あきれた使い方が浮かんできました。

 同報告書によると、各党は各国会議員・候補者が支部長を務める選挙区支部に盆暮れなど数回にわたって政党助成金を交付しています。一人あたりの受取額は、おおむね自民党千五百万円―二千万円、公明党九百万円―二千四百万円、民主党一千万円―二千七百五十万円など。問題は、その使いみちです。

■年317億円どこへ

 料理屋での飲み食いや、ゴルフ場付きホテルでの会議もあります。

 自民党の常田享詳(たかよし)参院議員(鳥取)は研修旅行に十五万九千二百二十円を支出。佐藤錬衆院議員(比例九州)は、国民年金保養センター「くにさき望海苑」の「会場借料」として八万三千三百五十一円。

 日本料理店に「議員研修費」名目で五万一千八百円の支出があったのは、公明党の福島豊衆院議員(大阪6区)。

 民主党の福島県連は、いわき市の「小名浜オーシャンホテル&ゴルフクラブ」に「会議利用代」として三十一万六千八百八十円を使っています。

 弁当代にも使われています。

 園田康博衆院議員(比例東海)は「昼食(弁当代)」五万六千五百九十五円、今泉昭参院議員(千葉)は「会議弁当代」十五万一千円、小林正夫参院議員(比例)も「弁当代」十三万九千二百三十円、鹿児島県連「会議用お弁当代」五万七千七百五十円など=いずれも民主党。

 社民党も、北信越ブロック協議会が福井市のレストラン喫茶で「食事代」十四万六千六百八十五円、東京都連が「弁当代」十九万七千五十円など。

 除雪費を支出していたのは、自民党の吉川貴盛衆院議員(比例北海道)四十二万円、近藤基彦衆院議員(新潟2区)五万二千八百九十二円など。

 ストーブ代、石油ストーブ購入代などを支出していたのは、自民党の遠藤利明衆院議員(山形1区)六万九千九百三十円、阿部正俊参院議員(山形)七万五千六百円、吉野正芳衆院議員(福島5区)同。沖縄4区の西銘恒三郎衆院議員はクーラー代五十万四千円。

 同じく自民党の金子恭之衆院議員(熊本5区)は、浄化槽清掃料六万八千六百八十円のほか、小便器取替代五万六千三百十一円まで。同党の福岡資麿衆院議員(佐賀1区)は「カーテン・カーペット・台所用品」しめて六万二千九百六十九円。

■家電各種や演出用の煙

 自民党の金田英行前衆院議員(比例北海道)は、中川昭一経済産業相(当時)と安倍晋三幹事長(同)のそれぞれ「警備セフティーコーン並びに運搬費」を計二十万八千三百九十四円。柴山昌彦衆院議員(埼玉8区)は、「掃除機、自転車、テレビ」あわせて十八万七百七十九円。秋元司参院議員(比例)は「Tシャツ」十六万八千五百二十五円。

 石原伸晃前国土交通相(衆院東京8区)は、七月に開いた支部大会で、演出用の煙を噴き上げるため「特殊効果費」十五万七千五百円を支出していました。

 民主党でカーナビを購入していたのは、下条みつ衆院議員(長野2区)二十一万一千八百九十円、富岡由紀夫参院議員(群馬)十九万五千円、藤本祐司参院議員(静岡)、大久保勉参院議員(福岡)各十五万七千五百円など。

 〇三年十一月の総選挙で選挙違反を出し、連座制適用で失職した今野東元衆院議員(宮城1区)は、「法律相談料」百万円の支出が東京の法律事務所あてにありました。同法律事務所は、「委託を受けて連座制適用が不当であるという相談に乗った」と話しています。

■覚せい剤の秘書給与も

 自民党の大野功統前防衛庁長官(衆院香川3区)、林芳正参院議員(山口)は、いずれも党本部から受け取った一千五百万円が人件費。人件費は、領収書がいらず、文字通りのつかみ金です。

 覚せい剤取締法違反で、逮捕、起訴され、有罪判決が出た民主党の小林憲司前衆院議員(愛知7区)も一千万円すべてが人件費。覚せい剤の購入役を務め、有罪となった私設秘書の人件費も税金だったことになります。

■「ムダなくす」のなら、まず廃止

 自民党や公明党は「小さな政府」という名目で国家公務員の削減をいっています。福祉や暮らしを守るなど国民へのサービス切り捨てにつながる公務員削減は国民の利益になりません。

 民主党は「ムダ遣い一掃のため」と称して「衆院比例定数80削減」を主張しています。現行選挙制度のもとで民意を反映する制度となっている比例定数部分を削減することは民主主義に反するものです。

 「税金の無駄遣いをなくす」というなら、政党助成金こそ、すすんで廃止すべきです。


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp