2005年12月20日(火)「しんぶん赤旗」

南米の米国離れ加速

資源を国民の手に 弱肉強食に反対

ボリビア大統領 モラレス氏当確


■最近のラテンアメリカの主な政権交代

1998年12月 ベネズエラでチャベス大統領当選(1999年2月就任

2002年10月 ブラジルでルラ大統領が当選(2003年1月就任)

2003年4月 アルゼンチンでキルチネル大統領が当選(5月就任)

2004年9月 ウルグアイでバスケス大統領当選(2005年3月就任)

2005年12月 ボリビアでモラレス大統領当選


 十八日投開票が行われた南米ボリビアの大統領選挙で、先住民、農民運動出身で左派政党の党首エボ・モラレス氏が他候補を大きく引き離し第一位を確保し、次期大統領となることが確実となりました。

 米メディアは、モラレス氏の大統領就任が「ラテンアメリカの民主主義諸国でのいっそうの政治的な左傾化を予想させる」と述べています。

 今回の結果は、民営化や規制緩和など弱肉強食の新自由主義政策の転換、米国言いなりを拒否し、自主的な経済発展を掲げる政権の相次ぐ登場など、ラテンアメリカの変革のうねりに新たな一ページを切り開くものです。

■貧富の差が拡大傾向に

 ボリビアは、貧困人口が六割をこえる南米でも最貧国の一つです。一九八〇年代半ばから、米国や国際金融機関の圧力のもとに導入された新自由主義経済の結果、貧富の差がいっそう拡大する傾向にありました。

 同国には豊富な天然ガス資源があります。しかし、これまでの開発では、多国籍企業や、これに連なる国内の有力者の利益が保障される一方で、ボリビア政府にはわずかの利益しか残りませんでした。

 数年前から「天然資源を国民の手に戻せ」と要求する運動が急速に発展。その中で、米国寄りの姿勢をとり、多国籍企業と結託して私腹を肥やしてきた大統領が辞任に追い込まれる事態もありました。

 モラレス候補は、こうした運動の先頭に立つとともに、天然ガスの輸出収入を増大させて貧困削減にとりくむ立場を強調。そのために多国籍企業に不当な利益を保証する現行契約の廃棄と再交渉を公約しました。

 一方、今回の選挙で次点となり、敗北を認めた右派政党、民主社会権力(ポデモス)のホルヘ・キロガ元大統領も、エネルギー資源については「国家による管理の強化」を主張したものの、その主張はモラレス候補に比べると「控えめ」だったと報じられています。

■明確な規制選んだ国民

 それは、長年にわたって天然資源を食い物にしてきた多国籍企業の利益優先の新自由主義経済体制を続けることは、保守的、親米的な勢力であっても公然とは主張できなくなっているボリビアの現実を示しています。

 同時に、有権者の圧倒的多数が選んだのが、より明確な規制を主張したモラレス候補であったことは、国民の間で新自由主義への批判がいかに強いかを如実に示したものといえるでしょう。

 モラレス氏は、ブッシュ米政権が「ラテンアメリカの不安定要因」などと非難するベネズエラのチャベス大統領やキューバのカストロ議長と交流があると報じられています。米政府は、選挙前からモラレス氏を批判しており、新政権にはさまざまな圧力がかかることも予想されます。

 しかし、ボリビアの新政権発足で対米自主外交を進める各国との連携がさらに強化されるなら、ラテンアメリカの米国離れの傾向はいっそう加速するでしょう。(菅原啓・党国際局員)


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