2005年12月20日(火)「しんぶん赤旗」

大統領選で左派当確

新自由主義批判 モラレス氏

ボリビア


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 【メキシコ市支局】南米のボリビアで十八日実施された大統領選挙で、米国が押しつけた新自由主義経済からの転換を訴えるエボ・モラレス社会主義運動党(MAS)党首(46)が過半数をうかがう票を獲得し、先住民として初の大統領当選を確実にしました。ベネズエラ革命はじめ米国支配からの自立と国民本位の経済再建をめざす南米の変革の波が一段と鮮明になりました。

 政府所在地ラパスからの報道によると、開票率80%の時点で、モラレス候補の得票は51%。対立候補の右派、民主社会勢力(PODEMOS)のホルヘ・キロガ元大統領を20ポイント近く引き離しています。

 米政権はモラレス氏を「反米主義者」と敵視。同候補は同日夜、「平等と平和、社会正義を求めてボリビアの新しい歴史が始まる」と勝利宣言。キロガ氏は敗北を認めました。

 選挙結果の正式発表は来年一月十二日。モラレス候補の得票が最終的に過半数に届かない場合は、憲法の規定で一月半ばの新議会での投票に委ねられます。両候補の得票差が大きいため、モラレス氏の勝利は揺るがないとみられています。

 先住民の貧しい農家に生まれたモラレス氏は、コカ生産農民運動の指導者。下院議員から前回の大統領選に出馬し、次点でした。今回、新自由主義経済からの転換や、天然ガスなど豊富な地下資源の国有化を訴え、支持を拡大しました。

 ▼ボリビア 面積は日本の約三倍。人口八百八十万人(二〇〇三年推計)、先住民族55%、混血30%、白人15%。言語はスペイン語、宗教はカトリック(85%)。一八二五年スペインより独立。スズ、鉛などの鉱物資源に恵まれ、一九九〇年代中ごろに天然ガス田が発見されました。国土の西部は三千メートル以上のアンデス高地。


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