2005年12月18日(日)「しんぶん赤旗」
民主党大会
実質は「大連立」示す
九月の総選挙で大敗した民主党が“攻勢に打って出る”とした二〇〇六年度活動方針は「党再生を果たし、政権に再挑戦する」という表題をかかげました。しかし、それをどうすすめるかをめぐって、異論が噴出した大会となりました。
党大会前に前原誠司代表は、訪米先での講演で、中国を「現実的脅威」とする持論や集団的自衛権行使を可能にする憲法改定の検討に言及しました。これに十六日の全代議員会議では、「党内論議を尽くさずに進めるのは問題だ」(北海道連)などの意見が出ました。
前原氏は「代表として発言した以上、党内をそういう方向でまとめたい、リーダーシップを発揮したいという思いで言った」とのべ、党「憲法提言」で示した「制約された自衛権」という立場も踏み越える方向で意見集約する考えを示しました。
この前原氏と、集団的自衛権を憲法に盛り込もうとする自民党の考えに違いはありません。前原氏の講演に、「自民党と協力できる」(小泉純一郎首相)という反応があったのも当然です。
民主党は、重要政策で「対案」を示す路線や与党との「改革競争」を継続するとしています。前原氏は財政再建の問題で「行革なくして増税なし」と主張。しかし、同党の立場は「三年後の増税」が既定路線です。
増税の議論を「責任政党としての責務」(前原氏)というのでは「サラリーマン増税はやらない」と選挙で公言しながら定率減税を全廃し、将来の消費税増税も見込む政府与党と同じ立場です。
大会議案を報告した鳩山由紀夫幹事長は自民党との違いを「小泉さんの改革は暗い、冷たい、汚い。私たちは明るい世相をつくり温かい改革をめざす、クリーンな政治を求めていく、この方向に民主党の改革がある」と説明しました。
しかしその発言の直後に「正直申し上げると、不祥事が続いていて必ずしもクリーンになりきっていない」とトーンダウン。選挙後に逮捕者や議員辞職が相次いでおり、政権与党に対し胸を張って物が言えない姿が浮き彫りになりました。
改憲、日米同盟の「進化」推進、庶民増税…民主党が「政策上は国の基本問題で事実上の『大連立』という状況になっている」(日本共産党の志位和夫委員長)ことを示した党大会でした。そこに、政権与党の側から「大連立」論を振りまかれる背景があります。
(古荘智子)

