2005年12月10日(土)「しんぶん赤旗」

憲章起草など論議

「紛争の平和的解決」盛り込む

ASEAN外相会議


 【クアラルンプール=豊田栄光】東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会議が九日、クアラルンプールで開幕、二〇二〇年までの実現をめざす「ASEAN共同体」の憲法的文書となるASEAN憲章の起草などについて論議しました。ASEAN外相会議を皮切りに、十四日までASEAN+3(日中韓)、東アジア首脳会議など一連の会議がつづきます。


 ASEAN外相会議では、ASEAN憲章の起草を加盟国の元首脳や有識者から成る賢人グループにゆだねることとし、「ASEANの願望、目的を簡潔かつ明確にあらわし、国民に分かりやすい文書をめざす」(マレーシアのサイドハミド外相)としています。起草期間は一年を予定しています。

 ASEAN首脳会議で採択予定の「憲章制定宣言」(クアラルンプール宣言)案には「紛争の平和的解決」「武力不行使」「核兵器拒否」などの文言があります。ASEAN十カ国に日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランドの計十六カ国で行われる東アジア首脳会議(EAS)については、ロシアの参加問題が話し合われ、「将来の加盟については支援する」ことで一致しました。

■時間かかっても共同体へ努力を

■韓国大統領

 【ソウル=面川誠】東アジア首脳会議などに出席するためマレーシア訪問中の盧武鉉・韓国大統領は、現地紙ニュー・ストレーツ・タイムズ九日付のインタビューで、時間がかかっても平和のために東アジア共同体形成のために努力すべきだと語りました。

 大統領は「共同体構築には少なくない時間がかかる」とした上で「地域共同体は域内国家が和合と平和、共同繁栄を実現する上で重要な役割を果たせる」と強調しました。また「ASEANが過去四十年間、統合過程の経験と、ASEAN+3の発展などを通じ、東アジア協力で中心的な役割を果たし、東アジア共同体意識の形成に大きく寄与してきた」と評価しました。

 ASEAN+3については、「もはや選択ではなく不可欠のものになっており、持続的に発展していく地域協力体としての地位を築いた」と指摘。東アジア首脳会議が、ASEAN+3の経験を生かし「ASEANの立場を尊重するなかで徐々に発展していくことを期待している」と語りました。


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