2005年12月10日(土)「しんぶん赤旗」

在日米軍再編 日本が全額負担

沖縄海兵隊

グアム移転1兆円超

政府が新法検討へ


 沖縄の米海兵隊司令部のグアム移転費用だけで一兆円超も―。日米両政府が十月末に合意した在日米軍再編の「中間報告」に盛り込んだ基地強化計画を全面的に実施するためには、これまで日本政府が三十年近くにわたって支払ってきた米軍施設建設費(約二兆円)に匹敵する費用が必要とされる可能性もあります。日本政府は全額負担を検討。国民に基地被害だけでなく、巨額の財政負担まで押し付けようとしています。


 「中間報告」には、沖縄・名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部への最新鋭基地の建設や山口・岩国基地への空母艦載機部隊の移転など巨額の費用を必要とする計画が盛り込まれています。

 この中には、第三海兵遠征軍司令部のグアム移転などにより、沖縄の海兵隊部隊のうち七千人を県外に移転する計画もあります。「海兵隊の緊急事態への対応能力の強化」の一環です。

 今年五月、米議会の「海外基地見直し委員会」がブッシュ米大統領に提出した米軍再編に関する報告書は、同司令部のグアム移転には「二十九億ドル(約三千五百億円、一ドル=百二十一円で計算)に相当する重要施設の発展を必要としている」と指摘しています(この部分は後に機密事項として非公開に)。

 一方、英字紙ジャパンタイムズ十一月二十六日付は「米太平洋軍は(グアムへの移転費用を)九十億ドル(約一兆一千億円)と見積もっている」と報じました。同紙によると、司令部棟や病院、訓練施設の建設などに充てられるとしています。

 グアムという米国領内の基地建設費を日本国民の税金で負担するなどというのはかつてないことです。外務省筋は「日本国外のことなので(米軍に関する)地位協定の適用外であり、新規立法などの措置が必要になる」と述べ、政府として現行法制では負担は不可能と判断し、新規立法などの検討に入っていることを認めます。

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