2005年12月7日(水)「しんぶん赤旗」

戦略的対話強化で合意

エアバス150機購入も発表

中仏首脳


 【パリ=浅田信幸】フランスを訪問中の温家宝首相は五日、シラク仏大統領と会談。仏大統領府の発表によると、シラク大統領は両国関係が「きわめて良好」であることを歓迎し、両者は「高級レベルでの交流の強化」「戦略的対話と政治協議の強化」などで合意しました。


 この後、温首相とドビルパン仏首相は仏首相官邸で記者会見し、中国が欧州航空機大手エアバスの中型旅客機A320シリーズを百五十機購入することをはじめ、総額九十億ユーロ(約一兆二千六百億円)の大型商談が成立したと発表しました。

 またこれに先立つ四日には、中国国家発展改革委員会とエアバス社が、中国でのエアバス機組み立てに向けた事業調査の開始で合意。中国での生産が実現すれば、エアバスが仏独以外に工場を建設する初のケースとなります。

 中国の航空機市場は急成長が見込まれており、十一月のブッシュ米大統領の訪中の際にはボーイング七十機の購入契約を交わしていました。中国は対米貿易黒字解消に向けてボーイング機購入を進める方針だと伝えられますが、エアバスは現地生産を含め有利になる条件下で、現在の市場占有率(シェア)30%を50%にまで高めると意欲を見せています。

 これ以外にも、新幹線建設では仏から中国への一億五千万ユーロ(約二百億円)の公的融資で合意。アルカテル社は新型通信衛星(チャイナサット6B)の開発で契約を交わし、ユーロコプター社は六トン級民用ヘリの共同開発を進めることになりました。

 今回の中国首相の訪仏は経済協力が主な課題。中国の貿易相手国として仏は十五位で、中国市場に占める率も1・4%にとどまっています。今回の大型商談成立は、イラク戦争反対や多国間主義外交の推進など近年、仏が意識的に中国との関係強化に取り組んできた「外交の成果」との見方も出ています。


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