2005年12月6日(火)「しんぶん赤旗」

労働環境の悪化さらに

800人を他社子会社に移籍

従業員半減し派遣・請負に

労働者・研究者が告発


 研究者や労働者などが過重労働の軽減と人間らしい労働とは何かを研究している現代労働負担研究会は3日、静岡県伊豆の国市で「今、安全と健康を考える」をテーマに研究集会を開きました。


 「会社分割による労働実態」を報告したのは、JMIU(金属情報機器労組)日本IBM支部の組合員です。

 日本IBMは二〇〇二年に会社分割法を利用して、ハードディスク部門の労働者約八百人を本人の同意なしに日立の子会社に強制移籍。転籍三年目の〇五年六月には、日立と日本IBMの就業規則を統合し、「本給の減額」「昇給ストップ」と賃金を大幅に切り下げました。

 同支部の組合員二十人が転籍の無効とIBM社員としての地位確認を求めて、横浜地裁に提訴したたかっています。

 「労働条件が変わらないことを前提にした会社分割法を脱法的に利用することは許されない。“現代版の人身売買”です」と話しました。

 軽四輪のスズキの労働者は「企業の『合理化』推進と二つの裁判闘争」と題して話しました。

 スズキはこの五年間、「チャレンジ25」「チャレンジ30」の名の「合理化」を推進。「30」は、30%のコスト削減と売り上げ増のことです。

 正社員は〇一年四月から今年四月まで約七百人削減され、正社員の割合は七割台に落ち込んでいます。

 「静岡・磐田工場のラインでは〇四、〇五年の二年間、一カ月の連続休暇と引き換えに、残りの期間は九時間労働にされた。異常な変形労働がまかり通っている。日替わり日程の仕事で、忘年会の日程も決められない状況が広がっている」。現在、争っている裁判(思想差別撤廃裁判、過労自殺裁判)は、こうした「合理化」のもとで起きたものだとのべました。

 沖電気の労働者は、一九九八年から実施されている「フェニックス飛翔(ひしょう)」と呼ばれるリストラで、従業員が一万百余人から五千三百余人へと半減し、派遣や請負労働者への置き換えが急速にすすんでいる実態を報告しました。

 「海外でできるものは海外へ、派遣でできるものは派遣に、分社化できる職場は別会社に、というやり方です。会社の業績はV字回復し、その一方で、製造原価に占める労務費の割合は10%に落ち込んでいる」と指摘。国内に残った部門は、いっそうの労働強化と成果主義賃金の導入で労働者間の競争が激化しています。

 「沖電気グループ全体で、傷病手当の64%が精神疾患に関するもの」と告発しました。

 労働科学研究所の鈴木安名さんが講演。労働時間管理やメンタルヘルス対策を実行し業績を上げている企業を例に、「従業員の心と体が健康であってこそ、企業の生産性も上がるという視点が重要」とのべました。


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