2005年11月23日(水)「しんぶん赤旗」

ロシア紙、領土問題で論評

ソ連の不法占領を指摘

「結局は、退去せざるを得ない」


 【モスクワ=田川実】ロシアのノーバヤ・ガゼータ紙(週二回刊)二十一日―二十三日号は、千島列島が歴史的に日本の領土であり、第二次大戦終了時にソ連が不法占領したとみなされるとして、最終的には退去せざるを得ないとする同紙パーベル・フェルゲンガウエル評論員の論評を掲載しました。

 日本政府が返還要求の対象とする四島(論評では「南千島」)を中心に論じたものですが、千島列島をすべて自国領と考えるロシア人やマスコミ報道が多い中、注目されます。

 論評は、「ロシアの世論には、千島列島は一九〇五年の日露戦争で戦利品として日本のものになったとの誤った認識がある」と指摘。「しかし、カムチャツカ半島までの(北)千島への権利は、それより三十年前の一八七五年、まだ軍事的には非常に弱かった当時の日本に対し、ロシアがサハリン(樺太)への日本の権利の放棄と引きかえに、まったくの善意で譲ったのだ。南千島にいたっては、一九四五年秋まで、一度もロシアのものであったことはなかった」と歴史を説明します。

 現在の南千島の法的地位については、「中ぶらりん状態」と表現。「今日、米国やG8(主要国首脳会議)の他の参加諸国も、南千島は不法に占領された領土と考えている」として、「そうした地位を変えたりロシアの主権を国際法的に承認させることは、日本自身の同意なしには不可能だ」と述べています。

 論評は、「そうした地位の土地は、(ソ連末期に独立した)バルト諸国とのように、長期にわたって握っていることは可能だが、結局は、退去せざるを得なくなる」と結論付けています。


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