2005年11月21日(月)「しんぶん赤旗」

胸膜中皮腫10倍

79年――04年の25年

アスベスト原因 中皮腫死者は9087人

新資料で判明


 アスベストが原因とされる中皮腫の死者が一九七九年以降、少なくとも九千八十七人にのぼることが二十日までに、環境省の検討会資料からわかりました。胸膜の中皮腫は七九年に六十二人だったのが〇四年には六百四十七人となり、十倍以上も増加しています。

 厚生労働省の人口動態統計では、中皮腫の死者は九五年以降の死者数しか公表されていませんでした。石綿による健康被害の救済対象を医学的に判断する検討会(座長、森永謙二・産業医学研究所部長)に、七〇年代末からの胸部の中皮腫のデータが提出され、七九年以降の死者が明らかになったもの。同資料によると、七九年から九四年の十五年間で、胸膜にできた中皮腫(悪性新生物として登録)の死者は、計二千七十四人。中皮腫で労災認定をうけたのはこの間にわずか八十三人で、七九年から〇四年までで4%にすぎません。九五年以降の胸部中皮腫の死者は計四千四百七十五人で、腹膜などの中皮腫を含めると、九千八十七人に達します。

 胸膜の中皮腫は七九年に六十二人でしたが、十五年後の九四年には四倍以上の二百五十六人に。九五年から〇四年(六百四十七人)の十年間に約二・四倍に急増しています。

 同検討会では、中皮腫はアスベストが原因とみなして、すべてを政府が救済していくことで一致。今後、肺がんや、労災認定病として指定されている良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚などの救済範囲についても検討していくことにしています。

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