2005年11月19日(土)「しんぶん赤旗」

中国共産党

胡耀邦元総書記生誕90周年記念

「歴史的功績と人徳」を評価


 【北京=菊池敏也】中国共産党は十八日午前、北京の人民大会堂で胡耀邦元総書記の生誕九十周年を記念する座談会を開きました。新華社の報道によると、この座談会で記念演説をした曽慶紅国家副主席(党政治局常務委員)は、胡氏の「歴史的功績と優れた人徳は永遠に党と人民の心に銘記されている」と評価し、事実上の名誉回復を行いました。座談会は呉官正党政治局常務委員が主宰し、温家宝首相(同)をはじめ多くの指導者が出席。胡氏の遺族も招かれました。

 曽副主席は、「胡耀邦同志はマルクス主義者として、その一生は輝かしいものであった」と描きつつ、生誕九十周年を記念するのは、「彼の偉大な革命精神、高尚な思想と人徳を学び、中国の特色ある社会主義の事業を引き続き前進させるためだ」と強調しました。

 曽氏は詳しく胡氏の経歴にふれ、とくに「真理の基準にかんする討論」を推進し、一九七八年十二月の党十一期三中総での路線転換を導いたことなど、「改革・開放」路線の推進者としての役割を高く評価しました。

 胡耀邦氏は一九一五年十一月、湖南省生まれ。早くから革命運動に加わり、長征にも参加。革命勝利後、青年運動の分野で活動、共産主義青年団第一書記などを歴任。六〇年代の「文化大革命」で失脚した後、復活し、党の組織部長、宣伝部長、総書記、党主席などを歴任しました。一九八六年十二月に国内で起きた学生運動の高まりに対して、「ブルジョア自由化」を容認したなどと批判され、八七年一月の党政治局拡大会議で総書記辞任に追い込まれました。

 八九年四月の胡氏の死は、同年六月の「天安門事件」の発端となりました。


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