2005年11月18日(金)「しんぶん赤旗」

英会話講師派遣会社が破産

受講料35万円 「取り戻したい」

被害者ら会結成へ


 子ども向け英会話講師を自宅に派遣している会社が突然破産。「始めたばかりなのに、一括払いした代金が返ってこない」。被害者らが、インターネットの掲示板を通じて意見交換をしながら、被害者の会をつくろうという動きが生まれています。(竹本恵子)


 先月末破産したのは、「ビンバンブンクラブ」を運営する「オーブエデュケーションシステム」(本社・さいたま市)と「エデュケアシステム」(同・東京都新宿区)。会員(受講者)は約二万六千人、負債総額は約四十八億円。前払い分の受講料八億円の返済は難しい見通しです。

 東京・世田谷区の女性は、娘(2っ)のためにと九月に契約しました。

 オーストラリアに留学したこともあり、「娘には早くから親しませたい」と考えていました。

■1回受けただけ

 そんなとき、「ビンバンブン」の無料体験レッスンの新聞折りこみチラシを手にしました。近くの英会話教室を十カ所以上見学しましたが、自宅でできる便利さなどが決め手でした。

 レッスン料は週一回四十五分で月一万一千円(年間四十四レッスン)。三年間約三十五万円の受講が基本です。刈奈さんは、最初クレジットの分割払いにしました。しかし、三年間で利子が七万円にもなることから、現金による一括払いに変更。三十五万円を払いました。

 ところが十一月初め講師から突然破産を知らされました。一回のレッスンを受けただけでした。

 「娘は楽しみにしていたのに。いったいどうなっているの」

 インターネットで調べたところ、すでに被害者の掲示板ができており、解雇された講師も含めて「泣き寝入りしたくない」と意見や情報を交換していました。

 分割払いならクレジット会社に通知し、請求を拒否できるものの、一括払いの被害者は深刻なこともわかりました。

■管財人説明会に

 掲示板を通じて知り合った大阪の被害者らが集会を開いたのに続いて各地で集まったり、会を結成したりする動きが始まっています。

 「お金を取り戻したい」「一番の被害者の子どものためにも少ない負担でレッスンを再開できる方法はないか」。この女性は、東京近辺の被害者らによびかけ「被害者つながりの会」を結成。五十人の被害者から連絡があり、十一日に東京・立川市に集まりました。

 横浜市から参加した母親は、「自分が英語を話せないから息子にはと思った。なんとか取り戻したい。一人では無理でも、グループならば何かできるのではないか」。

 十九日に東京で開かれる二社の破産管財人の説明会に集まろうと呼びかけています。

 子ども向け英会話市場は、大手事業者が地方にも拠点を増設するなど、競争が激化しています。小学校に英会話がとりいれられるなかで、関心をもつ保護者にとっては、「何を信用したらいいのか」不安が高まりそうです。


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