2005年11月17日(木)「しんぶん赤旗」

第5回中央委員会総会

志位委員長の結語


■大会決議案の受けとめの特徴について

 みなさん、二日間の会議、ごくろうさまでした。私は、幹部会を代表して討論の結語をおこないます。

 二十八人の同志が発言しましたが、討論は、全体として、決議案を正面から受けとめ、かみあって、充実したものでありました。CS通信などで報告を視聴した同志は全国で九千人をこえており、八百通をこえる感想文がよせられました。

 討論でも、全国からよせられた感想でも、大会決議案が、新しい綱領をふまえて、自民党政治の三つの異常な特質という問題をはじめ、内外情勢を深く分析し、情勢の進歩的打開の道をしめしたことに、「元気の出る決議案だ」、「明るい展望が見えてくる決議案だ」など、たくさんの共感と歓迎の声がよせられました。決議案が、政党としての大道を歩む党の姿を五つの角度からおしだしたことも、党員としての誇りと確信をよびおこすものとして、たいへん新鮮に受けとめられました。

 決議案は、二〇〇六年、二〇〇七年を展望して、党活動の抜本的強化の方向をしめしましたが、そのなかでの労働運動の前進のための三つの強化方向、党建設の本格的前進のための五つの具体的な強化方針をはじめ、その全体が、現状を大胆に打開する方向を明らかにしたものとして、積極的に受けとめられ、実践への意欲的な決意が多く語られました。

 この総会では、「衆議院小選挙区選挙供託金支援基金」についての提案をいたしました。この提案についても、圧倒的に歓迎という声がよせられております。これは、全党の党員のみなさんにかかわる重要な財政問題ですので、大会決議案とともに、党大会の議題として、全党的な討論の対象にしていきたいと思います。

 (つづいて志位委員長は、中央委員会総会でよせられた意見をふまえて、大会決議案の 修正・補強に関する提案をおこないました。また、総会で出された決議案にかんする質問にたいして、回答しました)。

■すべての支部で決議案を討論し、全党の英知で練りあげよう

 つぎに党大会にむけた活動について報告します。大会にむけて二つの大きな仕事をやりあげていく必要があります。

 第一の仕事は、大会決議案を全党の英知を結集して練りあげることです。

 そのために、すべての党員に大会決議案を届け、すべての支部で討論をおこなうことが大切であります。決議案は一定の長さの文章ですが、これを読むことと討論することは、手間ひまを惜しまず、とりくむ必要があります。

 とくにすべての支部で決議案を討論することに、特段の力をそそぎたいと思います。これから大会にむけて、支部総会が開かれるわけですが、この支部総会を代議員の選出だけに終わらせずに、大会議案をよく討論する場にすることがもとめられます。さらに強調したいのは、支部総会まちにしないで、支部会議でどんどん決議案を読み、討論を進めていく。毎回の支部会議で決議案の討論を重ね、これを練りあげていく意気込みで、支部会議での討論ということを重視していきたいと思います。

 大会の一カ月半前に、大会議案を発表して全党の討論で練りあげる、とくに草の根の支部からの討論で練りあげる活動をおこなっているのは、日本共産党だけであります。ここにもわが党の他党にない民主的特質がしめされています。

 文字どおりの草の根からの英知で、決議案をより良いものに練りあげることを、強くよびかけるものであります。

■「大運動」の目標達成に挑戦し、大会を党勢の高揚のなかでむかえよう

 大会にむけた第二の仕事は、「党勢拡大の大運動」の目標達成に挑戦し、大会を党勢の高揚のなかでむかえるために力をつくすことであります。

 このとりくみをすすめるうえで、大会決議案を大いに生かすことをよびかけたいと思います。この文書は、中央委員会総会の決定として確認されれば、まだ決議案の段階ですが、党活動の指針にもしていくべき性格の文書になります。決議案を討論するとともに、どんどん具体化し、どんどん実践に移す。実践しながら、決議案をより良いものに仕上げていく。こういう見地で生かしていただきたいのであります。

 決議案をどう生かすか。三点を強調したいと思います。

■党活動を前進させる政治的・理論的な推進力として

 一つは、大会決議案を、党のあらゆる活動を前進させるうえでの政治的・理論的な推進力として生かすということです。

 決議案は、新しい綱領と日本改革の方針を語り、日本共産党の姿を語る生きた指針となっています。これを読み、討論することは、党組織に展望を広げ、確信を広げ、活力をわきたたせることになると確信します。それはまた、広い国民のみなさんのなかに、党の姿を広げる大きな力にもなっていくでしょう。

■憲法、増税、基地――直面するたたかいの指針として

 二つ目は、直面するたたかいの指針としても、決議案を大いに生かしていただきたいということです。

 大会までの時期を展望しても、憲法問題、増税問題、基地問題などで、重大な情勢が展開しています。

 たとえば憲法問題は、自民党と民主党が年内に大会を開きますが、両党がそれぞれの大会で、憲法改定の具体化にふみだすという重大な段階をむかえます。憲法改悪反対闘争の側も、よりいっそうのたたかいの発展がもとめられる重要な時期となります。

 庶民増税をめぐっても、いまから一月までの時期というのは、政府税調、与党税調、来年度予算案などで、増税計画が具体化される状況が進展するでしょう。所得税・住民税の定率減税の廃止にふみだし、消費税増税にむけての本格的な具体化の議論がはじまっています。そうした相手の動きにかみあって、増税反対闘争を大いに発展させるべき重要な時期となってきます。

 基地問題をめぐっても、十月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)での日米合意を、全国の自治体にたいして強権的なやり方でおしつけるという動きが、いま強められています。それにたいして、自治体ぐるみの反撃の動きが起こる。そういう大事な場面をむかえています。

 それぞれのたたかいが、党大会にむけた時期にも、大事な局面をむかえる。そのたたかいの指針としても、大会決議案を生かし、広く国民のなかに打って出て、平和と暮らしの守り手として、日本共産党が大いに奮闘することがもとめられています。

 討論のなかでも、たたかいが各分野で起こりつつあるということが報告されました。そして、国民のなかに、現状打開のエネルギーの驚くような蓄積があるということが、こもごも語られました。群馬県の「九条の会」のとりくみ、沖縄県の基地闘争の発展、香川県・高松市でおこなわれた合併選挙で定数一での勝利の経験などが報告されました。いろいろな分野で矛盾が累積し、たたかいのエネルギーが蓄積している。そのなかで党が、国民要求の担い手として積極的役割を発揮しながら、「大運動」の前進をかちとっていくことが強くもとめられています。

■「大運動」の前進も、「政策と計画」をもった自覚的支部を広げることを要にして

 三つ目に、「大運動」そのものを推進する指針、党建設をすすめる指針としても、この大会決議案を生かすことが大切であります。

 決議案では、党建設を本格的な前進の軌道にのせるためには何が必要かについて、五点にわたって強化方向を提起しました。討論のなかでも、この提起にたいして、「日々悩んでいる問題に力強い回答を得た」、「現状打開の新しいファイトがわいてきた」という、たいへん積極的な受けとめがよせられました。この五つの点を、ただちに「大運動」の推進に生かすことをよびかけたいのであります。

 「大運動」は、党大会にむけて期限をくぎってとりくんでいる運動ですから、掲げた目標をやりとげる構えをくずさない大奮闘が必要です。同時に、党大会のあとも、引き続き、継続的に、末広がりに、党建設の運動が発展する、そういう展望を持ったとりくみが大切であります。

 そういうたしかな足取りでの前進をきずくためには、決議案で提起したように、「政策と計画」をすべての支部がもち、「支部が主役」の自覚的活動をおこなう努力が要になってきます。

 討論のなかでも、「大運動」で継続的な前進をかちとっている地区では、「政策と計画」をもって、自覚的なとりくみをおこなう支部を大勢にする努力を、共通しておこなっているということが、香川県からの報告でも、大阪府からの報告でも明らかにされました。

 大会決議案を受けて、すべての支部が「政策と計画」をもって活動する党をつくる。まだ「政策と計画」をもっていない支部は、よく討議してつくるようにする。すでにもっているところはそれを充実させる。文字どおりすべての支部が「政策と計画」をもった自覚的活動にとりくむ党づくりをすすめる努力と一体に、「大運動」を成功させていくことが大切であります。

■党機関の体制、職場支部、若い世代のとりくみ、機関財政でも積極的とりくみを

 それから、五つの強化方向のなかでのべた、党機関の体制と活動の強化も、この時期が大事になってきます。職場を退職した同志の力を結集して、機関活動の強化をしようということを打ち出しましたけれども、これはかなり力のいる大仕事です。ですから、機関体制の強化についても、大会が終わってからということではなくて、ただちに先をみたとりくみを開始して、党大会をうけた都道府県党会議、地区党会議では、強化した体制をスタートさせることをめざしたいと思います。

 それから、大会決議案が提起した職場支部の活動の強化、若い世代のなかでの活動の強化なども、決議案にそくしたとりくみを開始することがもとめられます。

 大会決議案を指針として、大会にむけて「大運動」の目標達成のために全力をあげて奮闘する。同時に、大会後も、この運動を継続的に発展させる見地で先をみた手立ても積極的にとっていく。そういう広い視野でとりくんでこそ、「大運動」の目標達成への大道も開かれてきます。

 大会までの時期は、機関財政の改善・強化という点でも重要な時期となります。決議案でものべているように、党勢拡大を財政基盤強化の面でもしっかり位置づけるとともに、党財政の根幹である党費の100%納入への努力、機関紙誌購読料の滞納・未集金の問題の克服などに力をそそぎたい。さらに、国民に広く訴えた募金活動のとりくみの強化もはかりたいと思います。今年は、急きょ、総選挙をたたかった年でした。選挙は財政的な負担もともないました。年末までの時期に、財政的にも改善の道を開いて、新しい年と大会をむかえるように、おたがいに力をつくしたいと思います。

 大会決議案の提起した五つの党建設の強化方向を実践し、その実践によって決議案をさらに豊かに発展させるという見地で奮闘したいと思います。

 中央役員のみなさんが、大会にむけたこの二つの仕事をやりきる活動で、全党の先頭にたって奮闘することを訴えて、結語といたします。


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