2005年11月15日(火)「しんぶん赤旗」

山田さん(前南光町長)大善戦

兵庫・佐用町長選

公正・清潔 25年の実績に共感


 四町合併にともなう兵庫県佐用町長選(十三日投開票)で、前南光町長で「明るい新佐用町をつくる会」の山田兼三氏(57)は、当選には及ばなかったとはいえ、大善戦しました。(兵庫県 喜田光洋)


 新佐用町の有権者は、一万七千六百十八人(旧佐用町六千八百五十八人、旧上月町四千四百八人、旧南光町三千六百二十五人、旧三日月町二千七百二十七人)。地元候補を選ぼうという有権者の意識が強く働く合併直後の選挙でした。前佐用町長の庵逧(あんざこ)典章氏(56)と前上月町長の中川孝之氏(49)が立候補し、有権者の少ない旧南光町の山田氏にとっては厳しい条件でのたたかいでした。相手の両陣営は当初、「山田はなんぼとっても四千票まで」とタカをくくっていました。

 しかし山田氏は、他町にも大きく支持を広げ、旧南光町長の有権者総数を千票余りうわまわる四千六百三十一票を獲得。他の二候補に肉薄しました。

■事実示して反撃

 三つどもえの大激戦で、もっとも有権者が多い旧佐用町で庵逧陣営は「(町長は)とにかく地元から」、中川陣営も「役場も町名も佐用だから、町長は上月から」と、旧町ごとの地域意識を最大限あおりました。両陣営とも土建業者の応援を受け、団体・地域を激しくしめつけ。「山田では国・県の補助金がこなくなる」など旧南光町の実際の姿からかけ離れた使い古されたデマを口コミで広範に流しました。

 当選には至りませんでしたが、南光町政二十五年間の実績、山田氏の人柄、政策は町民の願いに合致し、多くの町民が新町の明日を山田氏に期待したことは、新町の今後に影響を与えうるものです。

 山田氏は、「清潔・公正で、全国に誇れる住みよい明るい町を」「二十五年の町長経験を生かします」と訴え、▽お年寄り送迎サービスを全域で実施▽医療費無料化を小学生に拡大▽農業や産業の振興▽旧町の利害にとらわれない公平な行政―などを掲げました。デマ宣伝にも事実を示してていねいに反撃しました。

 総選挙で民主党候補を応援したある会社社長は「隣の南光町で山田さんが同和行政の混乱を解決したと、よく聞いていました。合併で新事業が多くおこなわれるだけに、町長は清潔、公正でなくてはいけない。利権を狙う土建屋がついている二候補では心配で、山田さんしかいないと思っていました。本当に惜しかった」と話します。

■輝き続ける成果

 日本共産党員の山田氏が町長をつとめた南光町政二十五年(九月で町制終了)。汚職腐敗が一つもなく、国の「8020運動」(八十歳で歯を二十本残す運動)の発祥地となった歯科保健センターの活動、全国で有名になったひまわりの郷づくりなど、「住民が主人公」の立場で築かれた数多くの成果は、今後も輝き続けます。今回の町長選でも多くの共感が寄せられました。

 山田氏は十三日夜、「私の力不足でこういう結果になりました。しかし、一生懸命みなさんに運動していただき、その訴えは、新佐用町の町政に生きると確信しております。今後、一町民として私なりに新町発展のために、またがんばってまいります」とあいさつ。割れんばかりの拍手に包まれました。

 開票結果

 山田 兼三57無新

       四六三一

当庵逧 典章56無新

       五一二一

 中川 孝之49無新

       五〇八四

  (投票率84・66%)


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