2005年11月14日(月)「しんぶん赤旗」

イラク派兵拒否を継続

ドイツ次期政府の外交

米国との関係改善うたう


 【ベルリン=片岡正明】十二日発表された独社会民主党(SPD)と保守のキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の連立政権の政策綱領は、外交問題ではイラク派兵拒否などシュレーダー現政権の政策からの大きな変更はないものの、CDU・CSU側の主張が取り入れられ、イラク戦争で悪化した対米関係の改善、重視が強調されています。

 シュレーダー政権は二〇〇三年の米国のイラク侵攻に反対を表明、米国が求めた派兵に応じませんでした。CDU・CSUのメルケル首相候補は、連邦議会(下院)総選挙では、この問題での対米関係悪化を非難していました。

 政策綱領の外交政策では、欧州連合(EU)を中心とした欧州外交と、北大西洋条約機構(NATO)を中心とする対米パートナーシップが二つの柱として強調され、EUの共通外交政策の強化とともに米国との関係改善がうたわれています。特に、対イスラム世界との関係では、米国との共同作業が重要としています。

 国際テロ対策では「国際テロとのたたかいに貢献」し「必要な場合は軍事手段の投入も考慮する」と述べ、これまでのシュレーダー政権の政策を踏襲。アフガニスタン、バルカン半島両地域へのドイツ部隊の駐留継続を表明しています。しかし「イラク」への直接の言及はなく、同国へのドイツ軍派遣拒否は継続されます。

 国連については「平和を守り、世界の将来の課題を解決するうえで引き続き重要な役割をはたす」と位置づけています。一方、イランの核開発問題で交渉での解決が強調されています。

 大きな相違があったトルコのEU加盟問題については、開始されたトルコとの交渉がトルコの自動的な加盟を保証するものではないとし、結論は先送りされています。


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