2005年11月9日(水)「しんぶん赤旗」

07年度に消費税上げ

政党評価基準 9条改憲求める

日本経団連


 日本経団連は八日、企業献金をおこなうさいの政党評価基準となる十項目の「優先政策事項」を発表しました。民間大企業主導の経済社会を目指したもので、二〇〇六年の企業献金の基準になるものです。

 「税・財政改革」の項目では、新たに「国・地方を通じた公務員人件費の削減」を明記。歳出の徹底的な削減を求めています。あわせて、「〇七年度をめどに、消費税率の引き上げを含む税体系の抜本的改革」を改めて求めています。同時に、法人実効税率の引き下げを要求しています。また、「研究開発・設備投資の促進など企業活力の向上」のための税制「改正」を要求。これは、総額一兆円をこす研究開発・IT投資促進減税の継続・拡充を求めたものです。

 「規制緩和・民間開放」の項では、「企業の過度な負担の回避」を強調。「十兆円市場」ともいわれる公共サービス部門を民間に開放するための「市場化テスト」法を〇六年の通常国会に提出することを要求しています。さらに、「職業紹介・相談や能力開発の民間委託」(「雇用問題の項」)など労働市場・基準にかかわる規制緩和を求めています。

 「外交・安全保障政策」問題では、「憲法改正を視野に」とし、九条改憲を求めています。その上で、自衛隊の海外活動のいっそうの強化と「国際協力に関する一般法の整備」を新たに要求しました。

 政党の政策評価方式による企業献金の推進は、財界による政界への総合的で直接的な介入・支配の戦略の柱です。財界としての当面の政策目標を示し、企業献金をてこにして政策実現へ競わせることで、政界に大企業・財界本位の改革を「大胆かつスピード感をもって」(奥田会長)取り組ませます。〇三年一月に発表した「活力と魅力に溢(あふ)れる日本をめざして」(「奥田ビジョン」)で、「政治に積極的に関与していく」と宣言したことを受けたものです。財界の意のままに動く保守「二大政党制」をつくり大企業にとって都合のいい「改憲型構造改革」を進める国づくりを目指しています。

■日本経団連の優先政策事項

 優先政策事項 主な事項

 税・財政改革 国・地方を通じた公務員人件費の削減。2007年度を目途に、消費税率の引き上げを含む抜本的改革

 社会保障 自立・自助が基本。給付の重点化。医療保険制度の効率化・重点化により2010年度の公的医療給付費を30兆円以内に抑制

 規制緩和・民間開放 市場化テスト法案の2006年通常国会への提出。政策金融機関の改革

 科学技術創造立国 産学官連携の促進のための施策。知的財産政策の強化

 エネルギー・環境 環境税や温室効果ガスの排出割り当てなど経済統制的な施策を一切採用しない。原子力を基幹に

 教育改革 競争原理と評価制度の導入。株式会社立学校などの参入促進

 雇用 職業紹介・相談や能力開発の民間委託。保育分野での規制改革

 地方・都市環境政策 市町村合併を推進し、州制の導入。首都圏三環状道路の整備

 貿易 経済連携協定の締結と、農業分野の構造改革の促進

 外交・安全保障 改憲を視野に入れつつ、自衛隊活動の一層の強化


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