2005年11月7日(月)「しんぶん赤旗」

大連立反対、大デモ

社会保障・原発問題かかげ

ドイツ


 【ベルリン=片岡正明】ドイツの社会民主党(SPD)と保守キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の大連立に国民の反対の声が強まっています。五日には社会保障削減反対と原発廃止延期反対で二つの大きなデモがおこなわれました。

 ベルリンでは「社会的泥棒(社会保障大幅削減)の大連立反対」をスローガンに全国五十四都市の月曜デモ組織者や地方労組、失業者同盟、平和・青年・女性団体が呼びかけたデモに主催者発表で一万五千人が参加しました。

 大連立交渉ではすでに、二〇〇九年までの年金支給額据え置きや受給年齢の六十五歳から六十七歳への繰り上げなどで合意しています。また、付加価値税(消費税)の16%から20%への引き上げも検討されています。

 今回のデモはシュレーダー政権が実施した社会保障制度などの改悪の撤回を要求するとともに、新たに大連立交渉の中で検討されている諸改悪に反対を表明するもの。

 市内三カ所から出発したデモでは「(長期失業者支援制度を改悪した)ハルツ改革IVをなくせ」「(シュレーダー政権の経済社会改革政策)アジェンダ二〇一〇は仕事もつくらず、人々を貧困に追い込むものだ」などの横断幕やプラカードが掲げられました。

 バルト海沿岸のロストクから朝六時半に出発してきたというインゴ・レーガーさん(37)は「大連立では長期失業者への援助がもっと減らされる。弱肉強食の資本主義ではだめだ」と語ります。年金生活者のヘルガさん(67)は「年金が凍結されるということは物価値上げで事実上減額になる。子どもも失業しており心配だ」と話していました。ベルリン近郊から参加したエリカさん(56)は「今の政府の政策は大資本が優先され、貧しい人はますます貧しくなる」と批判しました。

 一方、大連立交渉では、原発廃止延期が検討されていますが、北部のリューネブルクでは、原発廃止と自然エネルギー拡大を求めるデモに約七千人が参加しました。四十の環境団体が主催したもので、参加者は「原発廃止の約束を守れ」などの横断幕を掲げました。


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