2005年11月2日(水)「しんぶん赤旗」

安保理、対シリア決議

レバノン元首相暗殺 容疑者の拘束要求


 【ワシントン=鎌塚由美】国連安全保障理事会は十月三十一日、外相級会合を開き、ハリリ元レバノン首相暗殺事件への関与が指摘されるシリアに対し、容疑者の拘束や国際独立調査委員会への全面協力を求める決議一六三六を全会一致で採択しました。

 米英仏が提出した決議案は当初、経済制裁を直接意味する条項を含んでいましたが、中国、ロシア、アルジェリアの支持を取り付けるため削除されました。

 決議は、「シリア当局が調査委に実質的な協力をせず、複数の当局者が虚偽の情報で欺こうとしたとする同委の結論に極めて重大な関心を持つ」とし、これ以上の「非協力」に警告しました。

 その上でシリアに対し、事件への関与が指摘された同国関係者を拘束し、調査委による事情聴取を認めるよう義務付けました。十二月十五日までにシリアの協力は不十分と調査委が認めた場合、安保理は「必要であればさらなる行動を検討できる」としています。また容疑者の渡航禁止や資産凍結の措置を取るよう全加盟国に求めました。

 制裁など今後の行動については、ロシア、中国などが新たな安保理決議が必要だとの立場を明確にしています。

 ▼レバノン元首相暗殺事件 レバノン駐留シリア軍撤退を求めていたハリリ元首相ら23人が、今年2月にベイルートで爆弾テロにより殺害された事件。当初からシリアの関与が疑われていました。その後シリア軍がレバノンから撤退し、反シリア派のシニオラ内閣が発足。当局は前法相を逮捕しました。国連が設けた国際独立調査委員会は10月20日、シリア当局が事件に関与したとする報告書を安保理に提出しました。


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