2005年10月31日(月)「しんぶん赤旗」

鳥取人権条例で集い

「言論が規制対象」と批判


 日本共産党鳥取県委員会は三十日、鳥取市さざんか会館で、鳥取県議会で十二日に可決した「鳥取県人権侵害救済推進条例」(人権条例)を考える集いを開きました。八十人が参加しました。

 集いでは、国会で廃案となった人権擁護法案の論戦で奮闘した日本共産党の井上哲士参院議員や萩原俊郎新日本海新聞論説委員、中島純男全国地域人権運動総連合事務局次長がそれぞれの立場から報告しました。

 主催者を代表して小村勝洋県委員長は、条例が可決されたとき、党県委員会として知事に「この条例の廃止を含め、発動しない措置を」求めたことを報告。条例可決後から議会や県から運用面で是正や改正論が出ていることについて「運用面だけで本当に解決できるのか。条例が同和問題など差別解消を目標に掲げているが、これで差別解消につながるのか。県民的な論議を進めていく一歩にしたい」とあいさつ。

 井上参院議員は「国会で廃案になり、与党の中でもさまざまな問題があり、再提出もできない『人権擁護法案』をもっと悪くした中身の条例が鳥取で可決されたことに驚いている」と話し、人権擁護法案は、(1)権力からの独立性がない(2)メディアの取材規制(3)国民の表現の自由への介入の恐れがある―としてまとまらなかったもの。にもかかわらず、条例は人権救済委員会が知事直轄の委員会であり、行政からの独立性が欠如している。マスコミの取材にたいする規制、住民の表現、言論をも規制の対象にしているなど廃案になった人権擁護法案を乗り越えたものになっていると解明しました。

 萩原氏は「あいまい、抽象的な規定で、取材先調査も対象になることや、私生活、市民活動をも規制の対象にしているとして社説にも掲げ、県議会、議長に申し入れ、その後県内マスコミ十五社が共同歩調をとった」と報告。二〇〇四年に知事が提案、継続審議になって以降の審議経過を含め、問題点について話しました。

 中島氏は「社会問題としての部落問題は解決しているにもかかわらず、鳥取県は、部落差別がいまだ解消されていない状況があるとしてさまざまな分野における施策の推進方針を決めている」と話したうえで、岡山での部落解放同盟による確認・糾弾会の例をあげ、部落問題解決の視点から見る「人権条例」の問題点として(1)人権侵害の定義(2)救済措置にかかわる問題(3)確認会の流れ―など、解放同盟の確認・糾弾会合法化の危ぐを指摘しました。


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