2005年10月30日(日)「しんぶん赤旗」
携帯使いたいけど…
パキスタン首都のテント村
パキスタンでは地震で被害を受けたカシミール地方から、被災者が続々と首都イスラマバードに移動してきています。
空港建設のために造成した土地には巨大テント村が出現。二十八日現在でテントの数は八百三十一、四千百三人が暮らしています。
二十二日に開設されたこのテント村は、水タンク、トイレ、シャワールームも設置され、被災者からは「これまでの避難生活と比べると快適だ」との声も。
テント村を運営する首都開発庁(CDA)職員のジーシャンさんは「テントの数が少なく、一つのテントに多くの人が暮らさなければならない」と、住環境の不備を指摘します。
国連によると、すでに被災地に届いたテントは三十一万六千張りですが、さらに二十一万張りが必要だとしています。
カシミール地方のチャドメール村から二日をかけて歩いてきた十三歳の少女スンダス・カーズミンさんは、「携帯電話を早く使いたい」といいます。地震で母親と姉が亡くなりました。村の親せきや友だちと話がしたくて仕方ないのです。
十月二十七日からテント村では電気が使えるようになりました。仲間たちと輪になって充電具合を見ています。「でも、料金カードを買えないから、すぐには電話をかけられない」と残念そう。パキスタンでは大半の携帯電話がプリペイド(事前支払い)型です。
家が崩れ、家族をなくし、雨でずぶぬれになりながら、土砂で寸断された道路を懸命に歩いて避難してきたスンダスさん。携帯電話をかけたいという小さな願いが、いま彼女を支えているのかもしれません。(イスラマバード=豊田栄光)

小木曽編集局長が語る

