2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」
議会選で大統領派圧勝
弱肉強食路線の転換掲げる
アルゼンチン
【ブラジリア=松島良尚】二十三日に投・開票されたアルゼンチンの議会選挙は与党・正義党が圧勝し、市場万能、弱肉強食の新自由主義路線の見直しを掲げる中道左派のキルチネル大統領派が主導権をほぼ完全に握る結果になりました。
今回の選挙は下院(定数二百五十七)の百二十七議席と上院(定数七十二)の二十四議席の改選。開票率96%の段階で、下院は与党・正義党内の大統領派が得票率43%、党内右派のドゥアルデ前大統領派が15%です。
この結果、全二百五十七議席中、正義党が百三十五議席を占め、そのうち大統領派が百七議席になる見通し。
上院は七十二議席中、与党が四十三議席で、そのうち大統領派が四十議席を占めるといいます。
全国規模の選挙としては二〇〇三年五月のキルチネル政権発足後初めて。得票率22%で政権についた大統領だけに、事実上分裂状態にある与党の中での大統領派の議席の動向が注目されていました。
フェルナンデス首相は「全国的に巨大な支持をいただいた。ほとんど政権に対する国民投票のような選挙だった」とのべました。
アルゼンチンでは一九九〇年代に導入された極端な経済「自由化」路線によって経済が破たん。国民の抗議が高まる中で発足したキルチネル政権は、投機資本の規制や債務の再編成交渉、国際通貨基金(IMF)との粘り強い交渉などを進めています。