2005年10月26日(水)「しんぶん赤旗」

イラク憲法草案承認

国民投票で賛成79%

正式政府樹立へ新段階に


 【カイロ=小泉大介】イラク独立選挙管理委員会は二十五日、憲法草案の是非を問う国民投票(十五日実施)の最終結果を発表し、憲法草案が賛成78・59%、反対21・41%で承認されたと発表しました。これにより、憲法に基づく総選挙の十二月実施と年内の正式政府樹立が可能となり、主権回復に向けたイラクの政治プロセスは新たな段階を迎えました。投票率は63%でした。

 暫定結果は二十四日までに全十八州中、十四州分が発表されました。十二州では賛成が過半数でしたが、草案に反対するイスラム教スンニ派住民が多数のアンバル、サラハディン両州では反対がそれぞれ97%、82%と三分の二を超えました。

 投票規定では、全体で賛成が過半数でも、三州で反対がそれぞれ三分の二を超えれば草案は否決されるとしており、スンニ派が多数で未発表だった北部ニナワ州の結果が焦点となっていました。

 二十五日の発表では、残る四州のうち三州で賛成が多数。ニナワ州では反対が55%と過半数ながら、三分の二には届きませんでした。

 今回の憲法国民投票実施と承認により、混迷するイラク情勢の改善が期待されています。一方で、投票をめぐっては、草案に明記された連邦制の導入をめぐり、賛成のイスラム教シーア派、クルド人と反対のスンニ派との深刻な対立が表面化。現在も解消の兆しはみえていません。


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