2005年10月25日(火)「しんぶん赤旗」

野中氏否定、日歯連と対立

“アリバイ”矛盾を検察が指摘

会合での1億円小切手…

旧橋本派ヤミ献金


 自民党旧橋本派(平成研究会)の一億円ヤミ献金事件で、政治資金規正法違反(不記載)罪に問われた元官房長官村岡兼造被告(74)の公判が二十四日、東京地裁で開かれ、野中広務元自民党幹事長(80)が証人出廷しました。野中氏は一億円の小切手授受の会合への出席について“アリバイ”を主張し全面否定。日本歯科医師連盟(日歯連)側の証言と真っ向から対立、偽証の可能性も浮上してきました。


 野中氏は事件当時、旧橋本派の事務総長で、この日は弁護側証人として出廷しました。

 野中氏は、日歯連側から一億円の小切手を受け取った会合があったとする二○○一年七月二日夜、都内の料亭で「日本民間放送連盟の氏家斉一郎会長(当時)と総務省の事務次官(同)と会食していた」と説明。午後八時ごろに会合を終え、「親族の見舞いのため、一人で新幹線に乗って名古屋に行った」と述べました。

 野中氏は、平成研の滝川俊行元会計責任者(56)=有罪確定=が日歯連から一億円の小切手をもらったことを報告したと証言していることについても「全く知らない」と否定。事務総長だった自身は「金銭的なことに口は出さない。金庫の場所も知らない」などと述べました。

 検察側は反対尋問で野中氏の“アリバイ”について(1)(氏家氏との)会食に出席した関係者が、野中氏は『別の会合がある』と退席したと話している(2)手帳には、親族の見舞いは前日(七月一日)の日付となっている―などと矛盾点を指摘しました。

 検察側の立証によると、野中氏は橋本龍太郎元首相(68)、青木幹雄自民党参院議員会長(71)とともに日歯連の臼田貞夫前会長(74)=同=らとの料亭の会合に出席。元首相から受け取った小切手を見せられ確認しました。

 この裁判では日歯連の内田裕丈元常任理事が授受の場面を詳細に証言。小切手を受け取った橋本元首相が野中氏に手渡し、金額を確認した野中氏が橋本氏に「まあまあ」と言いながら返したなどとのべました。

 この裁判には、青木氏や橋本氏も証人として出廷。一億円授受の会食への出席について「ほかの方がそういうならあったかも」(橋本氏)と否定しませんでした。

 東京地検は昨年九月、野中氏について不記載の関与を認定しましたが、積極的でないとして起訴猶予としました。東京第二検察審査会は今年一月、不起訴不当を議決しました。


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