2005年10月24日(月)「しんぶん赤旗」

スンニ派2州公表されず

イラク国民投票一部暫定結果を発表


 【カイロ=小泉大介】イラク独立選挙管理委員会は二十二日、イラク憲法国民投票(十五日実施)に関し、全十八州のうち十三州の暫定的な開票結果を発表し、十二州で草案賛成が多数であると明らかにしました。

 全体の暫定結果発表にはまだ数日かかる見込み。

 選管発表によると、十三州のうち反対が多数だったのはイスラム教スンニ派住民が多いサラハディン州で、81・5%に達しました。投票規定では、全体で賛成が過半数でも、三州で反対が三分の二に達した場合は否決されるとしています。

 サラハディン州とともに憲法草案反対のスンニ派住民が多いアンバル州とニネベ州の結果が焦点となっています。しかし、いずれも今回は発表されませんでした。

 一方、選管は同日、全体の暫定投票率が63・78%であると発表しました。各州の投票率では、最も高かったのがクルド人の多い北部アルビル州で90・47%、最も低かったのが、国民投票直前まで米軍の大規模軍事攻撃にさらされた西部アンバル州で31・74%でした。

 国民投票の結果は当初、二十日にも全体の暫定結果が発表される見込みでしたが、各州の暫定発表が「国際標準に照らして偏ったものとなっており、再調査、検証が必要である」(選管声明)ため、一部州の投票箱の再検査がつづいています。

 選管は国民投票で重大な不正はなかったとしていますが、スンニ派二州の結果発表が遅れていることに同派勢力の反発が高まっています。

 暫定国民議会のアルジャブリ議員は「ニネベ州ではねつ造と操作によって結果が変えられ、草案賛成が多数にされようとしている。結果発表の遅れは国民の疑惑を高めている」と指摘しました。


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