2005年10月23日(日)「しんぶん赤旗」

派兵に議会承認の義務

英下院が法案審議


 【ロンドン=岡崎衆史】英下院で二十一日、戦争のための派兵の際に議会の承認を義務付ける法案が審議され、超党派の議員から支持が表明されました。労働党のブレア首相支持派は法案反対を表明しています。

 法案は、戦争の前に、政府にその法的な正当性を議会に示すことを義務付けるもの。緊急の場合に限って、議会の事前承認なしで派兵できますが、議会がその後政府の決定を拒否した場合、撤兵しなければならないとしています。

 法案を提出したクレア・ショート元国際開発相(労働党)は、提案理由として、現在の英国の法体系では、議会が承認しない場合でも、首相が開戦する権限をもつと指摘。ブレア首相が、二〇〇二年の四月にはイラク参戦の意思を決めていたこと、大量破壊兵器の脅威を誇張したことを挙げ、議会の権限の弱さと強力な首相権限が、イラク参戦につながったとの見方を示しました。

 イラク戦争開戦直前の二〇〇三年三月十九日、英下院は、イラク攻撃支持決議案を可決しましたが、ブレア首相は決議案が否決された場合でも派兵が可能でした。

 自由民主党のデービッド・ヒース議員は、「政府が議会の支持を得られない場合、紛争地に軍を送るわけにはいかない」と述べ、政府の行動に対する議会の歯止めの役割を強調。保守党のロジャー・ゲール議員も、首相は米国大統領のような軍最高司令官でも国家元首でもないと述べ、法案支持を表明しました。


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