2005年10月16日(日)「しんぶん赤旗」

ライス米国務長官、中央アジア歴訪

米軍の駐留継続狙う

ウズベクからの撤退先定まらず


 【モスクワ=田川実】ライス米国務長官は十一日から十三日にかけ、中央アジア諸国を駆け足で訪れました。七月のラムズフェルド国防長官、八月のアビザイド米中央軍司令官に続く同地域歴訪。アフガニスタン攻撃に参加する米軍の中央アジア駐留の継続が目的の一つでした。しかし、撤退を求められたウズベキスタン駐留米軍の移転先は定まらないままに終わりました。

 米政府幹部の相次ぐ中央アジア訪問は、同地域の四カ国とロシア、中国などでつくる上海協力機構の首脳会議が七月、米軍に中央アジアからの駐留期限の設定を求めたためです。

 今回のライス訪問で米国にとっての最大の「成果」は、最初に訪れたキルギスでバキエフ大統領と調印した同国での米軍駐留に関する共同声明。「アフガニスタンでのテロとのたたかいの任務終了まで、キルギスは連合軍の駐留を支持する」としています。

 ライス長官はそのアフガンを十二日に訪れました。同国情勢についてロシア紙コメルサント十三日付は、「カルザイ政権の樹立後、時間がたてばたつほど、カルザイだけでなく国全体の将来が不透明になっている」と述べています。

 各国歴訪中、ライス長官は「中央アジアに恒久基地の展開は求めていない」と繰り返しましたが、アフガン情勢からみれば、米軍のキルギス駐留は長期化する様相です。

 問題となっているのは、来年初めまでの撤退を余儀なくされたウズベクのハナバード空軍基地の移転先です。

 ライス長官は、歴訪先からウズベクを除外する一方、同国が「国際的責務を果たしていない」と非難しました(十一日、キルギス人記者との会見)。

 この会見で同長官は、「キルギスがウズベクからの基地受け入れに同意すれば、両国関係は修復不能なほど損なわれる。米外交はそうした状況を考慮しているのか」と問われ、「キルギスは隣国といい関係を持つべきだ」と釈明せざるを得ませんでした。

 タジキスタンでは同国と米国の軍事技術協力を、カザフスタンでは同国のイラク派兵をそれぞれ評価するにとどまっています。


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