2005年10月15日(土)「しんぶん赤旗」
住民「昔の特高と同じ」
国公法弾圧事件 公安警察を批判
東京地裁
休日に自宅近くで「しんぶん赤旗」号外などを配布した社会保険庁職員の堀越明男さんが、国家公務員法違反で不当に起訴されている国公法弾圧事件の第十七回公判が十四日、東京地裁であり、堀越さんが勤務する目黒社会保険事務所の所長(ビラ配布当時)や、ビラが配布されたマンションの住民らが弁護側証人として出廷しました。
事務所長は、堀越さんが職場で政治的行為をしたなどの苦情や指摘は「ありません」と証言。年金相談の仕事を安心してまかせていた、とのべました。直属の上司だった同事務所副長も、堀越さんが職場で「しんぶん赤旗」を読む姿さえ見たことが「ない」と証言しました。
事務所長らの尋問の中で弁護側は、人事院の「懲戒処分の指針」が、「政治的文書の配布」を公務外では懲戒処分の対象例に挙げていないこと、同事務所内で民主党候補者の名前や写真が掲載された労働組合機関紙が回覧され、それがとくに問題となっていないことを明らかにしました。
事務所長はまた、二〇〇四年三月、公安警察が同事務所を捜索した際、捜索前からテレビ局数社が事務所前に来ていたと明らかにしました。
堀越さんがビラを配布した東京・中央区のマンションの元自治会副会長(80)は、公安警察がビラ配布をビデオで盗み撮りしていたことに「特高(戦前の特別高等警察)がつけまわす時代と同じだ。戦争体験などからも実感としてゾッとした」とのべました。この男性は堀越さんに依頼されビラ配布に立ち会っており、「私自身が撮られていたかもしれず、人権侵害であり、憤りを感じる」とのべました。
マンションに配布されるビラについては「毎日七、八枚入る。重要だ。出前の案内や政党関係は(部屋に)持って帰り、目を通す」「だれが配るか気にしたことはない」と証言しました。