2005年10月14日(金)「しんぶん赤旗」

“社会的連帯捨てたらだめ”

独首相、米資本主義を批判


 【ベルリン=片岡正明】ドイツのシュレーダー首相は十二日、ハノーバーで開かれた鉱業・化学・エネルギー労組の大会での演説で社会的連帯を強調し、災害対策もできない米国型資本主義を批判しました。

 同首相は、「自然災害に対して組織された国家の行動がなければ何が起こるのかを人々は見た。私の首相という立場からは言えないことだが、誰もが米国だと理解している」と発言。ハリケーン「カトリーナ」に無策で多くの犠牲者を出したのはブッシュ政権の責任だと指摘しました。

 同首相は「社会福祉を維持しようと思うなら国を刷新しなければならない」が「社会的連帯を捨ててはいけない」として、自らの「改革」政策を擁護。「完全な民営化、人命の危険さえも民営化することを人々は望んでいない」と述べ、「国家の役割を否定することが肯定的な結果をもたらすという考えが(カトリーナの災害で)根本的に否定された」と強調しました。

 同首相は米英型の新自由主義的資本主義は「欧州(大陸)ではまったく見通しがない」「欧州は市場だけでなく社会的文化的連帯の場だ」と述べ、連立での政策交渉にも「欧州社会モデルを守る」立場から臨むことを明らかにしました。


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