2005年10月10日(月)「しんぶん赤旗」

列島だより

スケートボード


 10日は体育の日。青少年に人気の高いのがスケートボードです。各地でつくられているスケートボード場の例から、兵庫県三木市と長野県松本市の場合を紹介します。


■だれでも無料で利用

■待望の「パーク」オープン

■兵庫・三木 

 今年四月、兵庫県三木市の三木市役所近くの上の丸町に「三木スケートボードパーク」がオープンしました。

 この施設は、「スケートボードを楽しみたい」という市民の要望にこたえて、無料開放の誰でも利用できる公共のスケートボードパークとしてつくられました。

 初心者から上級者まで幅広く楽しめる設計で、国内では極めて珍しい「フルパイプ」と呼ばれる施設もあります。

 若者に人気のスケートボードですが、公園や駅前などでやっていたので苦情も寄せられていました。二〇〇二年から市内の愛好者が約千四百人の署名を集めて市に要望しました。

 日本共産党の黒嶋妙子議員は議会で二回質問して実現を求めました。

 市長もほかの施設を視察するなどして〇四年度の当初予算に盛り込みました。

 愛好家の人たちが場所の選定や施設の内容などで意見やアイデアを出して実現しました。

 公園は二千八百五十七平方メートルの広さの中におわん型のボールやバンクなど九百二十平方メートルのコンクリートの施設が設けられています。中でも直径四メートルの巨大な土管は「フルパイプ」と呼ばれ、ひときわ目につきます。

 署名から開設までかかわってきた三木スケートボード協会の池上英輝さんは、「同じスポーツを楽しみながら少年から若者、中年の方までが交流できる。ルールやマナーを守ることで青少年の健全育成に役立つ」と語っています。

 施設はスケートボードのほかインラインスケート、ローラーシューズ、キックボードが楽しめます。

 無料で利用できますが市役所都市整備課に登録が必要です。現在登録者数は四百二十三人で市内の人のほうが少ないようです。利用時間は午前八時から日没までです。

 市では利用者が主体となった管理運営を行っていきたい考えです。

 スケートボード協会が休日の登録の受け付けや公園の清掃などを行っています。

 池上さんは、「小学生にも覚えてもらって、できるだけ多くの人に楽しんでもらいたい。開設一周年にはイベントもやりたい」とのべています。指導者による月二回ぐらいの教室を開く予定。

 施設の拡張や休憩所、水道などの設備の充実の要望もあり、若者のスポーツ施設として利用者が楽しく交流できるようにしていきたいと思います。(大眉均三木市議)

地図

 三木市は神戸市の西北に接する人口約七万六千人の田園都市です。

 古くから大工道具をつくる金物の町で、のこぎり・のみ・かんな・こて・小刀は播州三木打ち刃物として伝統工芸品に指定されています。

 清酒の原料となる酒米「山田錦」は作付面積が日本一で、ブドウや菊などの特産品もあります。

 十月二十四日に隣の吉川町と合併して人口は八万五千人になります。


■青少年、愛好者の声集め マナー作りも

■長野・松本 

地図

 長野県松本市で、ことし七月末、専用のスケートボード場がオープンしました。プレーを楽しんでいる若者は「今までは『はみ出し者』扱いされていたが、こうして公設の施設ができて、認知されることが一番うれしい」と話しています。

 オープンしたスケボー場は、市総合体育館南側で、広さが四十五メートル×十五メートル、約六百七十平方メートル。ハーフパイプ、レッジなどとよばれるジャンプ台や段差が六基設けられています。3サイドピラミッド複合というジャンプ台が設置されたのは、専用のスケボー場が数カ所ある長野県下でも初めて。

 スケボーやBMX(自転車)の愛好者、スケボーの販売にかかわっている関係者が話し合い、どんなものを設置したらよいのか、どんなコースにしたらよいのか、設計の段階から検討してきました。

 愛好者は「要望したものがほとんど受け入れてもらえた」「使い勝手が行政サイドでない」と喜んでいます。

 照明設備も三基設置され、午前九時から午後九時まで(火曜日は午後五時まで)開場されています。

 松本市議会では、駅前公園でプレーする青少年からの要望が強く、早い時期からスケボー場を整備するよう、日本共産党だけでなく無所属の議員も要求してきました。

 日本共産党市議団(池田国昭団長、五人)はそうした青年と話す中で、「青少年の居場所づくりに」「自主的に中・高生が使える施設を」「若者たちの自信にもつながる」と、繰り返し要求しつづけてきました。

 それに対し昨年の十二月議会で、教育長はスケートボードについて「社会体育の一端を担ってもらえるものと考える」と答弁。今年度に二千五百六十五万円の予算がつき、計画にあたって日本共産党は青少年の声を集めて設計するよう提案してきました。

 オープンから二カ月余、青少年の手でプレーする順番など、ルールをつくり、愛好者にとっては夜の十時、十一時までやりたいところですが、時間を守ったり、ごみを持ち帰ったりし、マナーづくりをすすめています。

 池田団長は「見事なプレーにはお互いに声をかけてたたえ合い、技術の向上に真剣に取り組んでいる姿に、今の青年の姿を見ることができる。実現できて本当によかった」と話しています。


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