2005年10月3日(月)「しんぶん赤旗」

3年前の再現に衝撃

バリ爆弾テロ 各国政府が非難


 【ハノイ=鈴木勝比古】インドネシアのユドヨノ大統領は一日、バリ島で同日起きた連続爆弾テロ事件を厳しく非難しました。バリ島での二度目のテロにインドネシアは大きな衝撃を受けています。シンガポールなど東南アジア諸国や日本、米国政府もテロを非難しました。

 ユドヨノ大統領は、「明らかにテロだ。この非人間的な行為を強く非難する。犯人を追跡し、最も重い刑罰を下す」と述べました。

 シンガポールのヨー外相は二日、「多くの罪のないインドネシア人や外国人を殺害した爆弾テロを非難する」と語り、犠牲者の遺族に哀悼の意を表しました。「このような攻撃はテロリストとたたかうわれわれの決意をいっそう強固なものにし、地域協力とわが社会の結束を強化するだけである」と強調しました。

 今回の事件で犯行声明は出ていませんが、二〇〇二年十月十二日にバリ島で起きた爆弾テロ事件では、東南アジアを拠点とするイスラム過激派組織ジェマ・イスラミア(JI)のメンバー三十人以上が逮捕されました。実行犯ら三人に死刑判決、間接的に事件に関与したとしてJIの精神的指導者アブ・バカル・バシル被告に禁固二年六カ月の刑が宣告されました。主犯格とされるマレーシア人のアザハリ、ヌルディン・トップの二人は逃亡中です。

 ジャカルタで起きた〇三年八月のマリオット・ホテル、〇四年九月のオーストラリア大使館前の爆弾テロにもこの二人が関与していると指摘されています。

 JIは一九九九年以来、五十件以上の爆弾事件に関与しているといわれます。かつてはマルク諸島などでのイスラム教徒とキリスト教徒の衝突事件にからんでキリスト教徒に報復テロを行っているとみられていましたが、最近では欧米人を対象とした無差別テロへと変化しています。

 ジェマ・イスラミアはイスラム共同体の意味。六九年前後に設立され、インドネシア、マレーシア、タイ南部、フィリピンにまたがる広大なイスラム教国家の樹立を主張しています。フィリピンのイスラム教武装組織「アブサヤフ」や国際テロ組織「アルカイダ」との関係も指摘されています。


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