2005年10月3日(月)「しんぶん赤旗」

ニートの背景に雇用問題

研究者らがシンポジウム


 通学も職業訓練もせず、仕事を探していない無業の若者―ニートが増えています。ニートと呼ばれる若者の姿やニートが生まれる背景を考えるシンポジウム「『ニート』―何が問題なのか」が一日、東京・文京区の東京大学本郷キャンパスで開かれました。

 同大大学院教育学研究科と教育研究創発機構の共催。百五十人が参加しました。

 研究者三氏がそれぞれの立場から発表。フリーターやニート問題の根本を「本人の意識」とする危険性を告発し、安定した雇用が若者に提供されていないことが背景にあると指摘しました。

 労働政策研究・研修機構研究員の堀有喜衣さんは、労働研究の立場から、フリーターやニートの若者八十一人から聞き取り調査した結果を紹介。就業構造が大きく変化したために学校から社会に出づらくなっているとのべました。

 横浜市立大学教授の中西新太郎さんは、若者研究の立場から、ニート問題の特徴として「社会に出られない」状況と心理をあげ、若者の非正規就業における低処遇が生きることを難しくさせ、人生の意味づけを揺さぶっていると語りました。

 龍谷大学法科大学院教授の浜井浩一さんは、犯罪学の立場から、少年の非行と自立、ニートとのかかわりをのべ、格差社会が生み出した「負け組」の受け皿が消滅し、こうした若者たちを置き去りにしていると話しました。


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